いつかまた、めぐり逢うまで (ページ20)

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大西side

あの日から3日。

謙杜はまだ練習には顔を出してない。

今日も何かあったんなら、来んのかなって思ってけど、部屋に入ると謙杜がいた。

大ちゃんに抱き着かれて苦笑いしてる謙杜。

嬉しそうでどこか悲しげのある目。

謙杜はALSという病気になっていたらしい。

難病指定の病気で、治らない。

死に至る病気。

夢を絶たれることになって、デビューすることができない。

近い将来、踊ることができなくなる。歌うことができなくなる。

今まで目指していたものがなくなる。

今までできていたことができなくなっていく恐怖。

俺には到底わからないものに、謙杜は立ち向かおうとしている。

俺より年下の謙杜が頑張ろうとしている。

それなら、俺は謙杜の分までデビューを目指す。

謙杜は頑張り屋さんやから、誰かに助けを求めることができるんかな…。

心配やけど、一番心配なのは謙杜やから。

俺らはそれを励ましてあげることしかできない。

なんで今なんやろな…。

デビューを夢見て走り続けて、今年こそはってみんなで意気込んで。

努力し続けてきた人がなんで夢を奪われなあかんのやろ。

誰かがなればいいとかそういうことではないけど、謙杜やなくてもよかったんやない？

本当は7人でデビューしたかった。

でも、それを思ってるのはほかの5人だってそうだし、何より謙杜が一番思っとるはずやから、声にだしてはいけない。

人一倍頑張ってきて、ダンスも足を引っ張らないように個人練をたくさんして。

それをみて、俺も頑張ろなんて思ってたけど、それもなくなるのかって。

これからの生活は6人も謙杜も一変すると思う。

でも、それが普通にしなければいけない。

できないと思うけど…。

7人のなにわ男子。

6人のなにわ男子。

一人いないだけで、どれだけ違うかは予想もつかないけれど、7人のなにわ男子を知ってくれている人はずっと覚えていてほしいな。

"なにわ男子ってグループは7人なんだよって"

いつかは、"一人抜けたけど、7人で活動してたんだよって"言ってもらえるように。

それを誰もが願っているから。