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第五十三話 ページ8






「……A、どうした」



「義勇さん危ないっ!Aちゃんは危険だよぉ…ッ!」


「…!?」




動く気力も湧かなくて、視線だけやれば冨岡さんに後ろから抱きついている日天さん



ふざけんな



その一言しか浮かばなかった





なんでこうなったのか、

考えれば考えるほど、自分の悪い所が浮かんできて



「泣いてんじゃねェ」



自分でも気づかない内に涙が溢れていた。




『しな、ず…がわ…さん』




頭に手を乗せて、ぽんぽんと柔らかく撫でられる。



それにまた涙が溢れた。



……あぁ、もう。

こんなに泣くのはいつぶりだろうか



そんなことされたら、私は被害者ぶってしまう…




「ダメだよ実弥くん!!Aちゃんは、私の鎹烏を殺したの…っ!それに……私も刺されて……「おい」…ぇ?」




不死川さんが目の前に立ち、一定のリズムで頭をぽんぽんされているので、前は見えないが



頭の上で、低い、低い声が聞こえた。




「…俺に指図すんじゃねェ、その舌叩っ斬られたくなきゃァその口閉じろ」



「冨岡ァ、テメェもだァ。そのクソと仲良くしてェんだったら俺の前から失せろ」



「…ふざけるな」



「…俺は、怒っている」




私の代わりに、不死川さんも冨岡さんも怒ってくれている…


一連の流れを見ていたわけじゃないのに、私を疑わずに、信じてくれる



それが、ただただ嬉しかった。




「や、義勇っ……きゃあっ!」




……何が起きてるのか、分からない…


ドサッ、って音がしたから冨岡さんが日天さんを突き飛ばしたのかもしれない。



『…不死川さん』


「…ンだよ」



『…日天さんを、蝶屋敷に』


「あァ?知らねェよ」



折角心を無にして、そう言ったのに一蹴されてしまった。




でも、視えるんだ

あの人は自分の、大動脈に刀を刺した。


このまま時が経てば、出血死するだろう。





許せない、許せないけど



今死んでもらったら困る



『お願いします、不死川さん…』



その場で、頭を下げれば舌打ちをしながらも承諾してくれた。




「冨岡ァ、そいつ蝶屋敷に運んどけェ」


……否、人に押付けた




日天さんは泣き真似をしながら、満更でもなさそうに冨岡さんに引きずられていった。






不死川さんと私だけが空き地に残された。



「埋めてやろうなァ」


私を、鴨丸ごと姫抱きにして、不死川さんは走り出す。



あの惨状を思い出して、その肩を濡らしてしまった。



向かうは、私たちの家

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作品ジャンル:アニメ
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キメツ推し - 面白かったです!パスワードを知りたいです (3月29日 12時) (レス) @page50 id: 267e3fd993 (このIDを非表示/違反報告)
さくら - めっちゃ面白かったですパスワード教えていただけると嬉しいです (3月1日 20時) (レス) id: a79ca47ff6 (このIDを非表示/違反報告)
さくら - とても面白かったです!パスワード教えていただけると嬉しいです (3月1日 20時) (レス) @page50 id: a79ca47ff6 (このIDを非表示/違反報告)
うらら - とっても面白かったです!パスワードを教えていただけると嬉しいです! (12月17日 22時) (レス) @page50 id: 5151e61b26 (このIDを非表示/違反報告)
えー(プロフ) - 面白すぎて一気に見てしまいました!パスワードを教えていただければさいわいです! (11月26日 21時) (レス) @page50 id: 9a652782c8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:白米 | 作成日時:2020年2月17日 22時

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