第八十五話 ページ40
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待ってましたとばかりに男たちの手が私の体を床に縫いつけ、完全に身動きを封じられる。
女の、しかもまだまだ子供の私の力なんて到底敵うはずもなく、畳に押さえつけられた鈍痛が体に走った。
「可哀想な子だよなァ、Aちゃんよぉ」
「騙された挙句、オレたちなんかに襲われるなんてなァ!!まァ自業自得ってあの女も言ってたことだし、仕方ねぇか!!」
「ギャハハハッ!違ぇねェ!!」
下品にげらげらと笑いながら、私の羽織りを剥ぎ取ろうとする男
『離して!!この…ッ』
この羽織りはカナエ様に頂いた大切なもの
こんなヤツらに触られたくない…!!
必死の抵抗で、私をおさえつける男の急所に膝を入れた。
やはりいつの時代もそれは急所らしく
呻いて動けなくなった男を見て、周りの男たちがブチ切れた。
「調子に乗ってんじゃねェぞクソガキッ!!」
ゴッ
と鈍い音がして、私の頬はジンジンと熱を持ち出す。
「その羽織りが大事みてェだなァ?」
男の内の一人がナイフを取り出して、縛られていた私の手の縄を解いた。
そのまま横っ腹を蹴られると、仰向けの状態だったのがうつ伏せに変わる
すると、今度こそ私の羽織りが剥ぎ取られた。
…縄を切ったのはそのためかッ
「こーいうもんはなァ、本人の目の前でズタズタにしちゃうのが俺の趣味なんだわ」
ニヤッと笑った男がナイフを大きく振り上げた。
『…ばーか』
男には二つ、誤算があった。
ひとつは私をただの女だと思ってること。
日天さんにでも聞いたんだと思うけどね
ふたつめは……
今日は満月だということ
さっき窓を確認した時に見たから間違いない
この部屋の窓は小さいからあんまり光が入ってこないし、足は縛られたままだから実力の10分の1も出ないけど……
あの羽織りは、傷つけさせない
ごろん、と体勢を仰向けにもどし、渾身の腹筋で勢いよく体を元に戻し、そのまま跳んでナイフの男に頭突きをかます。
「う゛っ…」
緩んだ手から落ちた羽織りを守るように自分に引き寄せて、ついでにナイフを取ろうと反対側の手を伸ばす。
…が、男たちはまだいた。
他の男が、私が伸ばした手を蹴り飛ばされた。
おかげさまで私の手はえげつない音ともに向いては行けない方向へと向いた。
「いい加減にしろよ?」
…間違いなく手首折れたな、これ
激痛に顔を顰める暇もなく、次はお腹につま先がのめり込む。
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キメツ推し - 面白かったです!パスワードを知りたいです (3月29日 12時) (レス) @page50 id: 267e3fd993 (このIDを非表示/違反報告)
さくら - めっちゃ面白かったですパスワード教えていただけると嬉しいです (3月1日 20時) (レス) id: a79ca47ff6 (このIDを非表示/違反報告)
さくら - とても面白かったです!パスワード教えていただけると嬉しいです (3月1日 20時) (レス) @page50 id: a79ca47ff6 (このIDを非表示/違反報告)
うらら - とっても面白かったです!パスワードを教えていただけると嬉しいです! (12月17日 22時) (レス) @page50 id: 5151e61b26 (このIDを非表示/違反報告)
えー(プロフ) - 面白すぎて一気に見てしまいました!パスワードを教えていただければさいわいです! (11月26日 21時) (レス) @page50 id: 9a652782c8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:白米 | 作成日時:2020年2月17日 22時