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第七十八話 ページ33

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時間より少し早く待ち合わせ場所に着いた。



大分日もくれ、さっきまで赤く染っていた空はもう、半分以上闇に染っていた。



そんな空を眺めながら、私は近くにあった岩に座る。



冨岡さんは何かしら用事が出来ちゃったみたいだから、冨岡さん以外が来る。


私はてっきり、柱の誰かだと思っていたのだ。



待ち合わせの時間を13分過ぎた頃、その人はやってきた。





『あ……え、と…お久しぶりです。ゆかさん…』



ゆったりと道の向こうから歩いてきたのは、以前、一回だけ合同任務を共にしたゆかさん。



少しのトラウマを感じながらも、笑顔をつくって笑いかけた。


ら、


「…はっ、まだいたの?あんた」



と舌打ちと共に睨まれた。



ゆかさんは、一人でスタスタと先を歩いていくから、私は慌ててその数歩後ろを追いかけた。




少し歩いて、ゆかさんが向かう方向が任務地と全然違うことに気づいた。



『ゆかさん!こっちじゃなくないですか?』



反対方向を指さしつつそう声をかけるが、ゆかさんからの反応はなく、歩くのもやめなかった。


人間不思議と、否定されることもなく、肯定されることもなければ、段々と自分が間違えているのかと思うようになってしまうのである。



強く言うことも出来ずに、仕方なくゆかさんのあとを着いていく。



辺りは、段々と…人気のない、空き家ばかりになってきた。



ほんとこっちなのか、と再び不安になって、鎹鴉に確認しようと思って思わず、


『鴨丸!』


もういない彼の名前を呼びそうになった。



……ダメだな、まだ振っ切れてないのかな




私には鎹鴉がいないし、雪麿は伝達の時にしか来ないから、確認をすることも出来なかった。




さらに歩いて、私たちは山の中の小さな廃村に辿り着いた。

周りは森や崖やらに囲まれていて、正直気味が悪かった。



鬼の気配はないけど…念の為、刀を手に持って村を見て回ってみていると、





「ねえ、魁咲さん」



急に後ろから声をかけられて、思わず変な声が出そうになった。


というか、私、名乗ったっけ……今更だけど。



『どうしました?』



「その、刀。ちょっと見せて」



急にどうしたのかと不思議に思いながらも、刀を差し出す。



すると、


ゆかさんはそれを崖へ向かって投げた。




『ちょ、…なにを…!』



崖を覗こうと走ろうとすれば、後ろから白い布を口元に当てられ



私の意思に反して、意識は朦朧とし、すぐに途切れた。

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キメツ推し - 面白かったです!パスワードを知りたいです (3月29日 12時) (レス) @page50 id: 267e3fd993 (このIDを非表示/違反報告)
さくら - めっちゃ面白かったですパスワード教えていただけると嬉しいです (3月1日 20時) (レス) id: a79ca47ff6 (このIDを非表示/違反報告)
さくら - とても面白かったです!パスワード教えていただけると嬉しいです (3月1日 20時) (レス) @page50 id: a79ca47ff6 (このIDを非表示/違反報告)
うらら - とっても面白かったです!パスワードを教えていただけると嬉しいです! (12月17日 22時) (レス) @page50 id: 5151e61b26 (このIDを非表示/違反報告)
えー(プロフ) - 面白すぎて一気に見てしまいました!パスワードを教えていただければさいわいです! (11月26日 21時) (レス) @page50 id: 9a652782c8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:白米 | 作成日時:2020年2月17日 22時

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