第六十五話 ページ20
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『……え?あの、もう一度…』
「うん、だからねA。私は別に炭治郎と禰豆子をどうこうしよう、という気は無いんだよ」
お館様の屋敷についてすぐ、私は土下座で頼み込んでいたのだが、そんなことを言われて素っ頓狂な声を出してしまった。
『じゃあ……なぜ、本部に…』
「柱に紹介しようと思っただけだよ」
…あぁ、そっか。なら良かった
『すみません…少し、気が動転していました』
炭治郎たちのことをお館様に報告したのは私で、その時お館様は、どうすべきかを私に委ねてくださった。
考えれば分かること、だった
「それだけ彼らが大切なんだね、Aにとって。もちろん、柱のみんなもね」
お館様はそう言って、笑ってくださった。
炭治郎と禰豆子………柱のみんなが大切…
認めたくなかった事実が、お館様の言葉によってすんなりと受けいれられた。
もう、大切なものは作りたくなかった。
また奪われるかもしれないから。あの日のように
でも、ちゃんと守る。
あの時の自分とは違うから
『私はみんなが大切です。鬼なんかに、奪わせません。もちろん!お館様も、あまね様も輝利哉様たちもみな、私がお守りしみゃっ………』
………最悪だ。
大事なところで噛むなんて…恥ずかしすぎる。
ほら、お館様もうっすら笑いを浮かべてる!!
穴にあったら入りたい。
「ありがとう、A。そろそろ柱のみんなが集まる頃だ。行っておいで」
『…御意に。失礼しました…!!!』
私は神速で一礼をして、ささっと部屋から退室した。
*
「相変わらず遅いね、A」
「何故屋敷の方から来るのだ何を寄り道していた」
『今日はまだ早い方だと思うんですけどー』
柱のみんなはもう大半集まっていて、ひとつの人だかりと、それぞれ別のところにいる三人に別れていた。
言わずもがな、三人とはさっき私に声をかけてきた無一郎と、伊黒さん、んでぼっち冨岡さん
で、残りの……いや、不死川さん以外が人だかりにいるわけだが。
『そんなに寄ってたかって虐めないでくださいよ』
デカい宇髄さんを押し退けて、人だかりに顔を突っ込んだ。
「カッ、Aさ、……」
「お前、本当に知り合いかよ」
『だったらなんですか』
多分、みんなしのぶちゃんに話を聞いたんだ。
私が、隊律違反まがいのことをしたことも。
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キメツ推し - 面白かったです!パスワードを知りたいです (3月29日 12時) (レス) @page50 id: 267e3fd993 (このIDを非表示/違反報告)
さくら - めっちゃ面白かったですパスワード教えていただけると嬉しいです (3月1日 20時) (レス) id: a79ca47ff6 (このIDを非表示/違反報告)
さくら - とても面白かったです!パスワード教えていただけると嬉しいです (3月1日 20時) (レス) @page50 id: a79ca47ff6 (このIDを非表示/違反報告)
うらら - とっても面白かったです!パスワードを教えていただけると嬉しいです! (12月17日 22時) (レス) @page50 id: 5151e61b26 (このIDを非表示/違反報告)
えー(プロフ) - 面白すぎて一気に見てしまいました!パスワードを教えていただければさいわいです! (11月26日 21時) (レス) @page50 id: 9a652782c8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:白米 | 作成日時:2020年2月17日 22時