オレを好きになってよ。【手嶋純太】

Who is chosen?44. ページ44

【手嶋side.】






オレの目は狂っちまったんだろうか。





Aを想うあまりついに

幻覚が見えるようになったか‥？笑






‥なんでお前がAといて、

しかも抱きしめちゃってんの？




箱根学園の、敵のお前が。







‥なあ、真波山岳。







これでもかってくらい低い声で

話しかけたつもりなんだけど、







「‥あ、どうもー、

主将の手嶋さん？でしたっけ？

お邪魔してまぁーす」







‥て、

手を頭に添えてニコニコしながら

ペコペコと頭を下げられた。







「何しに来た」





再度低い声で言うと







「やだなぁ〜、そんな怖い顔

しないでくださいよ。

Aを送っただけですから」







ヘラっとした態度で返す真波。





ヘラっとしてる割には

お互い異様な空気が漂っている気がする。






はっきり言葉にしなくても

顔で、空気で会話してるような。







「‥さて、と。

じゃあオレは一旦帰るよ。

終わったら連絡ちょうだいね。


‥‥絶対、だよA?」







また、ニコーッと、得意技なのかよ、

って感じの顔でAに言う真波。







「お邪魔しましたぁ〜〜」




ってヒラヒラ手を振って

サドルに跨って坂を下ってった。











「‥‥‥‥‥‥‥」


「‥‥‥‥‥‥‥」







真波が居なくなった後の空気が

すげー重い‥‥‥







Aは俯いたままでいる。





だから‥、





「‥なあ、

真波とどう言う関係？」




「えーっと‥、」






後ろからAを抱きしめながら

そう聞く。






「付き合ってんの？‥‥好きなの？」






「あ、いや‥‥山岳とは幼馴染で」






幼馴染‥ねぇ、









「そう思ってんのはお前だけだぞ」






抱きしめる力を強くする。








「な、何言ってんですか

幼馴染‥ですよ。」









「‥はやく思い出せよ‥、

オレの事‥‥‥」






「‥え？‥‥ひゃっ！」






そのまま、


「‥ちゅぅ、」と首筋を吸い上げた。








‥バカ、そんな可愛い声だしてんじゃねぇよ。







オレはリミッターが

外れない様グッと抑えた。







「思い出さないバツだな」



顔を背けて、





「さ、部室いくぞっ」



「は、い！」





Aの手を握って部室に向かった。

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