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お昼休み、ご飯食べ終わって慌てて体育館へ向かおうとすると、玉森くんに腕を掴まれた。

「どこいくの」

「え、あ…」

「まさか藤ヶ谷のとこじゃないよね」

腕を掴む力が強くなって顔をしかめた。

「…ごめん」

パッと手を離す玉森くん。

ふいにしゃがみこむからびっくり。

一緒にしゃがみこむ私。

「…あ〜、こんなの俺じゃない」

「へ?」

「今まではどっちかっつーと焼きもち妬かれてばっかりでうざかったのに」

そうなんだ…

「自分がまさかこんな独占欲強いなんて思わんかった」

「…」

「ねえ、Aも俺のこと束縛してよ」

「えっ」

それはちょっと無理かも。

「…ウソ。今のは忘れて」

ぎゅっとされて焦る。藤ヶ谷先生、近くにいないよね?

思わず突き飛ばしてしまうと、玉森くんが尻餅をついた。

「ご、ごめんなさい」

怒るかな…

意外にも玉森くんは怒らないどころか、傷ついたような顔をして無言で立ち上がって、教室へ戻っていった。


…あっ、早くいかなきゃ!

体育館へ走った。


体育館について2階席に上がると北山先生が顔にタオルを置いて横になってた。

「北山先生…?」

まさか死んでないよね?

胸に手をあてると心臓は動いてたから一安心。

「…触んな」

タオルをどけて起き上がる北山先生。

「生きてるのかどうか確認してました」

「お前さ、そうやって男に期待させるのやめろ」

どういうこと?

「玉森にもどうせそうやってお前からベタベタしてんじゃねぇの?」

「してません…」

胸がぎゅーって締め付けられる。

「昨日あの漫喫で玉森と何してたの?」

「…」

「言えねぇようなことしてんなよ」

涙が出そう。でもまた構ってちゃんって思われたらやだから我慢する。

「…そういうさ、たらしっぽい感じもいじめられる原因じゃね?」

ぎゅっと目を瞑って、先生の言葉で泣いたりしないように、心に蓋をした。

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ayachoko(プロフ) - あずきさん» あずき様、まだ読んでいて下さって嬉しいです(T^T)実はこの後の展開にかなり迷ってます(>_<)可哀想すぎるかな、とか…(;_;)楽しみにして下さって感謝です!ありがとうございます(*^^*) (2017年4月16日 6時) (レス) id: b1988500b3 (このIDを非表示/違反報告)
あずき(プロフ) - 相変わらずツッコミながら読んでます(笑)わーついに部屋に…!どうなるのでしょう。更新楽しみにしてますね♪ (2017年4月16日 0時) (レス) id: dc6b6c7204 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ayachoko | 作成日時:2017年4月10日 18時

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