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ヤンデレ親友×藤ヶ谷 太輔 ページ9

噂はあっという間に広まり、ボッチになるどころかヤバい奴認定された俺にはもう居場所はなかった。

いつものように一人で帰ろうとしたある日、

藤ヶ谷が声をかけてきた。

「北山…、今いい?」

「え、あ…、ああ」

あの日から一ヶ月以上経っていて。

俺も藤ヶ谷もどこかよそよそしい。

学校だと話しづらいからと、藤ヶ谷の家に誘われた。

そりゃそうか。

学校一の嫌われ者と話してるのなんか見られたくないだろうな。








「でっけー…」

普通の一軒家を想像してた俺はビックリしてしまった。

「どうぞ」

藤ヶ谷に促されて、玄関に入る。

「お、お邪魔します…」

「あ、親いないから気にしなくていいよ」

「え?あ、そーなんだ」

「両親とも、遅くまで働いているから」

「へえ…」




案内されたのは、3階の奥の部屋だった。

ガチャ。

扉を開けて中に入ると俺は立ちすくんだ。

俺のなくしたはずの私物が、綺麗に棚に並べられていた。

ハンカチ、タオル、ジャージ。

全てのものが綺麗に折り畳まれて棚に並べられている。

自分のものではないかのようだけど、確実にどれも俺がかつて身につけていたものや使っていたものだ。

恐る恐る藤ヶ谷のほうを見ると、藤ヶ谷はにこりと微笑む。

「はじめは北山のこと嫌いだったんだ」

「…え?」

「正義感振りかざしてる、だせぇ奴だなって」

「な、」

「なんかすげー目につくっていうか、とにかく視界に入る北山の笑顔に苛ついて、だから困らせてやろうって思った」

何言ってんだ、こいつ…

「けど北山の物を壊している内にだんだん今度は北山自身を壊したくなってさ」

「藤ヶ谷…」

「困った顔や傷ついた顔を見ると、めちゃくちゃ興奮して堪んなくなった」

藤ヶ谷の言葉に背筋がスーっと冷たくなる。

「そこで気づいたんだ」

藤ヶ谷は突然、俺を突き飛ばした。

「うっ…」

すぐに俺の上に馬乗りになる藤ヶ谷は俺を見下ろした。

「俺、北山のことが好きだよ」

驚いて、声が出ない。

「北山が悲しそうにしたり、困ったりしたりの見てると堪らなく興奮する」

好きなのに悲しませるとか、意味がわからなすぎる。

「やめろ、どけよっ」

「北山、俺のモノになってよ」

突然、腹にビリビリっと電気が走り、俺はそのまま意識を失った。








「……う、」

目が覚めると、両手が鎖で繋がれていた。

「あ、起きた?結構長いこと寝てたね」

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作者名:ayachoko | 作成日時:2023年5月9日 21時

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