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付き合い始めてまだ3ヶ月も経っていないのに、彼に驚くことを言われた。
「一緒に暮らそうか」
「え…」
「Aとずっと一緒にいたい」
「でも、」
私、石原Aの彼、藤ヶ谷太輔は、私が勤めている歯科医院の先生だ。
親子で経営しているから、院長は彼の父親だけれど、ゆくゆくは彼が院長になり歯科医院を継ぐことになる。
歯科医院の裏に3階建ての彼の家が建っている。
かなりの豪邸で、初めて入った時はまるでホテルか何かのような玄関の広さと、部屋数の多さに驚いた。
それに比べて高卒で片親の平均以下の私。
彼と釣り合うわけがない。
そもそも、彼から交際を申し込まれたことすら未だに夢なんじゃないかと思うくらいで。
「無理、です…」
「どうして?」
「だって、まだ付き合ってから日も浅いし、それに院長先生や奥様と一緒に暮らすのなんて、気が引けてしまうというか…」
「けど近いうちに一緒になりたいと俺は思ってるから」
「えっ…、先生、私と結婚するつもりなんですか?」
こんななんの取り柄もない女と。
「告白した時に、俺言っただろ。結婚を前提にお付き合いして下さいって」
「言いましたっけ…」
あの時はほんとにびっくりして、正直あまり覚えていないから。
「ふっ、ひどいな」
おでこを指で押されて、それだけでドキンと心臓が跳ねるのに、一緒に暮らすのなんて絶対無理。
「ちょっと考えてみてくれる?」
彼はそう言うと席を立ち上がった。
この、お洒落すぎて私には場違いなお店の店長らしき人と楽しそうに会話をする彼から視線を外し、うつむき必死にどう断るべきか考えていると、いつの間にか戻ってきていた彼が「行こう」と私に手を差し伸べた。
その大きな手のひらを握ると、彼は嬉しそうに笑う。
何とかなるかもしれない。
彼の笑顔を見たら、そう思ってしまった。
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ayachoko(プロフ) - mayumitsuさん» はじめまして(*^^*)…ですが、mayumitsuさんの作品を実は読んだことが何度かあるので何だかはじめましてな気がしません(笑)一気に読んでくださってありがとうございます(。>д<)サイコパスな藤ヶ谷くんを観たいですよね(*≧∀≦*)コメントありがとうございました(*^^*) (2018年12月21日 16時) (レス) id: dab39b035a (このIDを非表示/違反報告)
ayachoko(プロフ) - 玲さん» 玲さん〜(;∀;)いつも本当にありがとうございます…!!このままドロドロ作者として突っ走っていきます(笑)ほんと藤ヶ谷くんにぜひまた野島作品に出てもらいたいですよね(*≧∀≦*)励ましのコメント、ありがとうございました(*^^*) (2018年12月21日 16時) (レス) id: dab39b035a (このIDを非表示/違反報告)
ayachoko(プロフ) - くまのこさん» くまのこさん、はじめまして(*^^*)ええっ、ほんとですか(;∀;)嬉しいです〜(。>д<)更新通知が私の作品でガッカリしてる人多いだろうなと更新する度にいつも思っていたので(;_;)優しいお言葉ありがとうございます!更新頑張ります(*≧∀≦*) (2018年12月21日 15時) (レス) id: dab39b035a (このIDを非表示/違反報告)
mayumitsu(プロフ) - はじめまして。すごく惹き込まれるお話で朝から一気読みしちゃいました。サイコパスみな藤ヶ谷先生にめちゃくちゃゾクゾクします…!リアルでもこんな役の藤ヶ谷さんが見てみたくなりました。更新楽しみにしています(^-^) (2018年12月21日 8時) (レス) id: 98d98b9cc2 (このIDを非表示/違反報告)
玲(プロフ) - ayachocoさん!そんな風に思わないで下さい!暗くてもドロドロでも、ayachocoさんの作品が大好きな人は沢山いるでしょうし、私がその中の一人ですから。野島作品に是非うちの藤ヶ谷さんをバンバン起用して欲しいものですよね!絶対イイ芝居するのになぁ〜! (2018年12月20日 20時) (レス) id: b7c4bcac2b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ayachoko | 作成日時:2018年5月25日 22時