速報！プロデュース科の問題児が全力疾走中！

問題児は胸ぐらを掴む ページ9

レオが壁に両手を思い切りつく。


レオはそんなことしない。


そんなの分かり切ってるはずなのに、身体が言うことを聞かない。


レオ「これは俺らの問題だ。Aでも、勝手に入ってくるな」



私は怖くて、とにかく怖くて、頷こうとした。


早くこのトラウマから逃れたい。


そう思って頭をふりかけたとき、私はハッとした。





また私、逃げてる。



あのとき、逃げて、すごく後悔したじゃんか。



真緒を怒らせて、ホッケーを失って。

真には怖い思いをさせた。

スバルだって、残ってくれたけどすごく心細かったに決まってる。


私一人が逃げたことで、『trickstar』のみんなに散々な思いをさせた。



もう逃げたくないって、逃げてたまるかって。



誓ったじゃんか、私に。




私はレオと視線を合わせると、胸ぐらを掴んで引き寄せた。

レオとキスできるんじゃないかって言うくらい近づく。




「……何言われても、引かない。何されても、逃げない。

そう、決めたから」



すぐ近くにあるレオの瞳が見開かれた。




レオ「…人の大事なところに関わるってことは、その責任を負うってことだ。


Aにそれができるのか？」




「知らないよ、そんなの。その時はその時で考える！」



レオ「バカみたいな返答だな」



「なんとでもお言い！」




レオ「けど」



「？」









レオ「信用できる返答だなっ！」


これまでの真剣な表情はどこへやら、にぱっとした笑顔になった。



レオ「Aが『knights』に関わることを許そうっ！だがしかし！」



だかしかし？



レオ「これからはちょっとでいーから『knights』のプロデュースもしてくれ！」



「え、でも私、『trickstar』の専属プロデューサーだよ？」


レオ「教師に聞いたら、別に専属プロデューサーでも他ユニットのプロデュースやっていーらしい！

だからいいよな！？」


ずいっと迫るレオの顔。



「え、いーんなら喜んでするよー！」



凛月「おうさま。何やってんの」



私が答えたとき、気怠げそうな声が耳に届いた。


声のした方を振り向くと、ドアの前に凛月がいた。


「あれ、凛月！今授業中のはずだけど、どしたの？」



凛月「それはこっちの台詞〜。俺はサボり。

同じクラスなんだし、俺が頻繁に休んでることくらい知ってるでしょ？」


「まあそうだけど！真緒が回収し忘れるなんて珍しくこともあるねー！」


レオ「わっはっは！お前らワルだな！俺は授業出るぞ！さらばだ☆」

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