ひよこ #147 ページ4
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私となるこちゃんは、ぴたりと歩みを止める。
示し合わせたわけでもないのに、私たちは自然に物陰に身を潜めた。
「 いったい、どうして... 」
「 こんなに悪くなってたなんて... 」
あの、仲のいい2人が。唯一無二の相棒のようだった2人が。
信じられない気持ちで、ひたすら息を潜めていた。
「 “俺の曲についてこれない、お前が悪い”...そう言ったよね、王さま？ 」
「 ......。
れおくん、って呼んでくれなくなったな、お前も 」
どちらの目にも、怒りが浮かんでいる。...それと、強烈な悲しみと親愛の感情。
ぐちゃぐちゃに入り乱れて、わからない。
レオは、嘆いていた。
泉くんのために曲という名の武器を作った。尽くした。そのせいで、ライブの大敗に繋がったんだと。
泉くんも、嘆いていた。
レオも、曲も、大好きだった。だからみんなにも好きになってもらいたかった。ただそれだけだった、と。
でも、2人の気持ちはすれ違って、言い争いは激しくなる。
「 唯一、俺に届く光まで！憎しみで濁ってる、それなのに明るい曲なんかつくれるか...!!
限界なんだよ、もう！ふざけんなよ、俺のために笑ってくれよ！ 」
なんて、悲しい喧嘩だろう。
お互いが、お互いを、大切に思ってるのに。それ故に、起きてしまったすれ違い。
大好きなのに、大嫌い。そんな想いが伝わってきた。
「 なんの話？確かに最近、キツくあたりがちだけどさぁ... 」
キッ、と泉くんは涙さえ浮かべているような気がする瞳でレオくんを見据える。
「 こんな状況で笑えるわけないでしょ、俺はあんたが曲を作るために消費される栄養素か何かなの？ 」
悲しい言い争いは続き、挙げ句の果てにはレオは泣き出してそのまま帰ってしまった。
泉くんも、それを見て少しだけ冷静になったのか、それを追いかけていく。
残された私たちはゆっくりと物陰から出て行った。
「 ...なんかごめんなさいねぇ、思ったよりも深刻だったみたいだわ... 」
「 ......ううん、大丈夫。ありがとね、私帰る 」
「 あっ、Aちゃん...!! 」
辛くて、苦しくて、悲しくて、だけどどうしようもなくて。
2人はそれ以上に苦しんでいるだろう。
私は、こんな革命がしたかったんじゃない。
腐敗したこの学院の中でただ純粋にアイドルを目指していた人たちが泣いてしまうようなことを、したかったんじゃない。
走っていると、どん、と誰かにぶつかった。
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ワルツ - 素晴らしい (2020年6月21日 19時) (
レス) id: cb21dd1047 (このIDを非表示/違反報告)
あるみかん(プロフ) - 透さん» ありがとうございます！更新速度ころころ変わりますが、どうぞよろしくお願いします。 (2020年4月14日 18時) (レス) id: 4fe8f05fec (このIDを非表示/違反報告)
透(プロフ) - とっても素晴らしい作品でした！！更新頑張ってください…！待っています(*^^*) (2020年4月3日 2時) (レス) id: a39e9ef544 (このIDを非表示/違反報告)
あるみかん(プロフ) - あんころ餅さん» ありがとうございます！一気読み大変だったと思います、お疲れ様です笑 ご期待に添えるよう頑張ります。 (2020年3月23日 22時) (レス) id: 4fe8f05fec (このIDを非表示/違反報告)
あんころ餅 - こんちには！！ひよこのワルツ最初っからイッキ見してしまいました！！とても面白いでス！！これからの展開にワクワクしてます！！更新大変かもしれないけど頑張って下さい！！他の作品もとても面白いでス！！ (2020年3月23日 15時) (レス) id: cda0ebd32a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あるみかん x他1人 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?t=48be83eaada675e79ed496ea5cdf8f4f...
作成日時：2019年8月2日 23時
