ひよこのワルツ第四楽曲【あんスタ】

ひよこ ＃145 ページ2

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「 _そういえば、最近月永には会ったのかね 」

「 レオ？いや、夏休み入ってからは会ってないよ。何回か学院には行ってるんだけどね 」

「 そうか... 」

「 なんで？ 」




そう聞くと、宗は言いづらそうに目を伏せた。なにか、あったのだろうか。

私にできることなら、力になりたい。一方的にかもしれないけれど、私はレオを友達と思っているから。



「 ...最近、【fine】とやらの勢力が拡大しているのは知っているだろう 」

「 ...うん 」

「 そして、【knights】は【fine】にいつも勝負を挑んでいる。が、票数は下がり続けるばかりだ。精神的にくるものがあるだろう、少しそれがどうなのかと思ってね 」




それは、私も知っていた。

【fine】というか...革命のために協力をするって言っている私にとっては複雑な話だけど。

新しいドリフェス制度によって【knights】の票数は下がり続けている。

少し難しい話になるけれど、【knights】は今までいろんな学院内のユニットに勝利し続けていた。それは喜ぶべきことだ。...でも。


新しいドリフェス制度ではライブの勝ち負けを決める投票は生徒によって行われるのだ。
つまり、学院内のユニットに勝ち続けるということは【knights】に負けたユニットが沢山そのライブに投票するということ。

負けた悔しさや恨みで、実力とは関係なく、私怨で投票される。勝てば勝つほど、投票数は下がり続ける。
【knights】はまさに、そのループの中にいるのだった。




「 ...今度、様子見てくるよ。レオだけじゃない、泉くんやなるこちゃん、凛月くんだって心配だから 」

「 ああ... 」



あの七夕祭の件以降、英智たちとは連絡を取っていない。日和くんは見かけると近況報告をしてくれるけど。

......それに。



宗たち、五奇人と呼ばれていた5人が急に、夢ノ咲学院を支配し、我儘に好き放題してきた極悪人、となっているのだ。

そして、その状況を打破するために立ち上がったのが生徒会、そして【fine】。


そんな構図が、出来上がっていたのだ。




私は、どちらも好きだし、どっちかだけが悪い、なんて言えない。

英智は5人を悪者に仕立て上げているけれど、英智だってしたくてしているわけじゃないのは百も承知だ。
だって彼は、渉のことを尊敬していたから。


渉が出ているライブのDVDを見ては、キラキラと目を輝かせていたのを覚えている。




...私は、どうすればいいんだろう。




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