ひよこのワルツ第四楽曲【あんスタ】

ひよこ ＃144 ページ1

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「 暑い... 」

「 言うな、余計暑くなるのだよ... 」



燦々と照りつける太陽。じりじりと焼けるような日差し。止むことのない蝉の鳴き声。

夢ノ咲学院は、夏休みに入った。


七夕祭は大成功を収め、腐敗していると言われていた学院は、少しではあるが見直されてきたところもあった。
もちろん、プロデューサーとしての私も。


まだ、大きな仕事はないけれど、少しずつ外部での仕事も増えてきている。大きな、進歩だ。

そして今、宗と手芸屋巡りをしている。まあ簡単に言っちゃうと遊びに来てるんだ。宗はそういうの照れるから言わないけれど。



「 さっきのアンティークっぽいお店、宗のユニットにあってる生地沢山あったよね 」

「 ああ、まさかあんなところに良い店があるとは思わなかった。つい買いすぎてしまったのだよ。
君こそ、今向かっている店はかなり気になっていたようだけど 」

「 うん、いろんなタイプのものを扱ってるらしくて。学院の人たちってみんな個性が強いからいいなって 」

「 ふむ。ところで、君さえ構わなければその前にカフェに入らないかい？
暑くて店に着く前に倒れてしまいそうだ 」

「 うん、そうしよっか。あ、あそこなんていいんじゃない？パン屋さんとカフェが繋がってる 」

「 いいね、クロワッサンが看板商品だなんて良いセンスをしているじゃないか 」

「 そう言うと思った! 」




夏休みになってから、宗とよく出かけるようになったなぁ。

この前は最近できたショッピングモールに、その前はクロワッサンで有名なお店があって、そこのカップル割引で一緒に行って、それからその前はひよこのグッズ専門店に行って...

なんだかんだで宗といるのは居心地がいい。

異性に対するそれじゃなくて、なんというか宗と私は似たものがある気がする。
これを言うと、大抵そうか？って反応になるんだけれど。


「 僕はアイスコーヒー 」

「 じゃあ私はメロンソーダにしよっかな 」

「 これから甘いものを食べるというのに...君の好みにどうこう言うつもりはないけれど... 」

「 宗も飲んでみなよ 」

「 断るっ。僕は美しいものしか口に入れたくないからねっ 」




ああ、こんな時が長く続けばいいのに。





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