ひよこ #82 ページ35
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「 〜♪ 」
軽快な音楽と共に千秋の歌声が響く。
踊っているのは千秋とママくんだけなのに。熱気がレッスン室を包む。
千秋は上手い、って訳じゃない。感動できるような素晴らしい歌声でもない。
だけど、応援したくなるような、そんな歌声で。目が、離せない。
ママくんは、安定していて下手な一人前のアイドルより上手いというレベル。2年生でこれだから3年生になったら凄いんだろうなあ。
2人らしく、振り付けはエネルギッシュで終わる頃には私の頬も火照っていた。
「 ...疲れたっ! 」
音楽が終わった途端、ばたりと仰向けに倒れる千秋。
慌てて近くにあったタオルとスポドリを持って駆け寄った。
「 お腹出して寝てたら、風邪ひいちゃうよ 」
「 すまん、わざわざ 」
むくりと起き上がった千秋は、私からタオルとスポドリを受け取って微笑む。
汗で濡れたまつげが一瞬煌めいて、見惚れた。
「 しかし、三毛縞さんは凄いな!俺みたいにバテたりしないで... 」
「 はは、俺はこういう体力系のことが得意なだけだぞお 」
スポドリを飲んでいたママくんが困ったように笑う。
汗で透けたのか、白いTシャツごしにママくんの鍛えあげられた身体が少し見えて、目を逸らした。
う...なんか、照れる。
そんな私を不思議そうに見ながら、千秋が口を開いた。
「 ...それで、何があったんだ? 」
誰のことかは、一目瞭然だった。
今なら千秋は聞けると思ったんだろう。私が暗くなっていた理由を。
シグナルレッドとエメラルドグリーンに見つめられて、私は話すか迷った。
でも、黙って一人で考えているよりかはよっぽど良いと思って、話すことにした。
「 あの、ね__ 」
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あるみかん(プロフ) - 更科さん» ありがとうございます!入部編は、みかくんのオッドアイを褒めて終わらせる、というやり方にどうしてもしたくなく、彼自身のコンプレックスに向き合わせていたら遅くなってしまいました笑抗争期は私自身もどきどきです笑 更新、頑張ります! (2018年5月14日 23時) (レス) id: 3df0130dff (このIDを非表示/違反報告)
更科(プロフ) - 第二楽曲の執筆お疲れ様でした…!入部までの展開がとても素敵で、いつも更新されるのを楽しみにしていました。次編からは抗争期にも突入ということで今からドキドキしています。大好きな作品なのでこれからも楽しみにしております、ご自愛の上更新頑張ってください! (2018年5月14日 22時) (レス) id: d6f890f9ad (このIDを非表示/違反報告)
あるみかん(プロフ) - 夜桜さん» ありがとうございます!更新頑張ります! (2018年3月21日 13時) (レス) id: 3df0130dff (このIDを非表示/違反報告)
夜桜 - 更新頑張ってください! (2018年3月21日 0時) (レス) id: a15e00b556 (このIDを非表示/違反報告)
あるみかん(プロフ) - ゆりりあさん» ありがとうございます!お気遣い感謝します!愛読してくれている読者様様のためにも、更新頑張ります! (2017年12月20日 12時) (レス) id: 3df0130dff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あるみかん | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/personal.php?t=48be83eaada675e79ed496ea5cdf8f4f...
作成日時:2017年11月23日 23時