速報！プロデュース科の問題児が全力疾走中！７

問題児の道 ページ19

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『SDP世界王者は、羽宮Aだ〜〜!!!』



司会の言葉で、一気にわっと会場は盛り上がる。
そして湧き上がるコール。

隣でレオンが力なく笑った。




「_おめでとう、A。
めっっ…ちゃくちゃ悔しいけど、負けたわ。

お前の方がファンを笑顔にしたってことだもんな」

「…ありがとう」




へへ、と私も笑いかえす。

そして私は前へと進んで、司会から渡されたマイクを握った。




「_よくあるような言葉でしか伝えられないけど、それでも心の底から思ってるから、言うよ！

みんな、ありがとう！！」



私がそう叫べば、会場中を震わせるような大歓声が私の鼓膜をビリビリと震わせた。

_でも、この中には当然、レオンに入れてくれた人もいたから。私は、1人残らず想いを受け取りたい。




「レオンのことが大好きで、
レオンのパフォーマンスを心から楽しんで、
それで勝ってほしいってレオンに入れてくれた人も沢山いたと思う。

だから、私のことも認めて好きになってほしいなんて言わないよ。
ただ、__こうやって、レオンに勝って欲しかったって気持ちを飲み込んで、拍手を送ってくれてありがとう。

私に入れてくれた人も、レオンに入れてくれた人も、みんなが笑顔で終われるような、アンコールライブをするって、約束する！」




そう、言い放つ。わああ、とレオンのうちわやタオル、ペンライトを持った人たちを中心に拍手が起こった。

その喝采や拍手を聞いて、私は手を握りしめる。……言わなくちゃ。



ずっと、ずっと、【Trickstar】のみんなと革命を成功させた瞬間から、決めていたことだから。

このあとが、“正真正銘の”ラストライブだったってことを。





「_____それと、もう一つ、みんなに言わなきゃいけないことがあるんだ」




私の声音で、大切なことだと思ったのだろう。会場はすぐに物音ひとつしない静寂へと包まれた。



「ずっと、ずっと、こうしようって決めてた。
わかってる、そんなの勝手だって。エンターテイナー失格だって」




1人で話し始めた私に会場は少し騒つく。

……言うんだ、ちゃんと。
非難を浴びるかもしれない、けど。


私は、私の決めた道をいくって、決めたから。







「私は、今日、このSDP大会を持って
アイドルを引退する」








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