脱出 107 ページ10
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後ろでは明るい会話が聞こえてくる。
次第に背中に優しい温かさを感じた。
全「ありがとう」
見えなくても四人が笑顔で言ってるのが分かった。
私、みんなに出会えてよかったよ…
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花「A!」
真の声にハッとした。
気づけば私は階段の前に立っていて、扉には真が私に手を伸ばして待っていた。
いつの間に私は移動したの?
ただ分かることは四人がここまで移動させたこと。
私は心から四人に感謝し、階段を駆け上がり真の手を取った…
数ヶ月後…
悪夢のような病院に閉じ込められた一件から何ヶ月と経った。
私達はあの後、何事となかったかのようにそれぞれ生活を送っている。
ただ私だけは傷口が開いたことで再手術をした。
一ヶ月近くも行方不明となっていたのに赤司君が裏で何かをして、警察もマスコミも動かなかったらしい。
(と、今吉先輩から聞いたり、見舞いに来てくれた黒子君達が言ってたり…)
赤司君って一体何者なんだろうか?
なんだか聞くのが怖くてやめておいた。
他のみんなも元気にやっていてそれぞれ頑張ってるって見舞いに誰か訪ねに来る度聞いた。
秋田にいる敦君や福井さん、京都にいる赤司君やレオ姉からはメールがよく届くし、涼太君と高尾君、緑間君、黒子君、火神君は頻繁に見舞いに来ては楽しい話をしてくれる。
もちろん今吉先輩もくるけど、一番私のそばにいてくれるのは真だった。
貴『真、明日退院だって』
花「ふーん、じゃあAの母さん仕事休めるのか?」
貴『手続きもあるし、休めるって聞いたけど、すぐ仕事戻ると思う』
花「じゃあ荷物もあるし俺明日学校休むわ」
貴『そんなのいいよ!真休んだら誰がバスケ部仕切るの?』
花「バスケも休みでいいだろ」
そんな簡単に決めていいものなのかな?
バスケ部は真が仕切ってるし、口出し無用だけど…。
少し悩んでいるとコンコンと扉の叩く音がした。
貴『どうぞ!』
声をかけると扉はゆっくりと開かれた。
そこに立っていたのは…
赤「やぁ、元気そうでよかったよ」
実「Aちゃん、久しぶりね」
貴『赤司君!レオ姉!』
二人に会うのはあの時以来で嬉しくなって声のトーンがいつもより高くなった気がした。
その反対に真は心底嫌そうな顔をしている。
実「まこちゃんも久しぶり」
花「帰れ」
ピシャリと言うけど、赤司君は全く気にせず中へと入った。
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サイガ(プロフ) - しょうどうぶつさん» コメントありがとうございます!いい話って言ってもらえて励みになりますね!ありがとうございます!!(^^) (2018年8月27日 6時) (レス) id: 19e5edb018 (このIDを非表示/違反報告)
しょうどうぶつ - ホラー怖いけどすげーいい話で涙が....( ; ー ; ) (2018年8月27日 0時) (レス) id: 4dcfc1ef4e (このIDを非表示/違反報告)
サイガ(プロフ) - 結愛さん» ありがとうございます!中身が福山さんって考えてください笑笑興奮します笑笑 (2018年1月19日 20時) (レス) id: 19e5edb018 (このIDを非表示/違反報告)
結愛 - え、感動です!!!!本当に!なんか花宮今まででちょっと苦手だったんですけどこの小説を読んで好きになりました!! (2018年1月18日 20時) (レス) id: 1370f18119 (このIDを非表示/違反報告)
サイガ(プロフ) - 俺ツボサァンさん» 泣いてくれて良かったです!^ ^読んでいただきありがとうございます! (2017年2月15日 7時) (レス) id: 19e5edb018 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:サイガ | 作成日時:2014年4月29日 13時