脱出 100 ページ3
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正直なことを言えば、早瀬を説得するなんて私に出来るかなんてわからない。
説得なんて簡単じゃないのは知っている。
それでも藤森先生の元患者として言いたいこともあったし、何より早瀬自身に言いたいことがあった。
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6階ナースステーションを離れて慎重に階段を降りる。
2階へと少しずつ近づくにつれ、私の中で不安が募る。
話が出来る出来ないの前に説得が出来るだろうか?
私なんかじゃ無理かもしれない。
でも、みんなと帰るためになんとしてでも説得を成功させなくちゃいけない。
不安と一緒にプレッシャーに押しつぶされそうになる。
高「…Aちゃん、そんな背負い込まないでよ。早瀬の説得、Aちゃんにしか出来ないけど…俺に出来ることがあったら言えよな?」
隣を歩いていた高尾君が声をかける。
見ればにっこりと笑顔を私に向けていた。
まるで私を安心すせようとするような笑顔。
貴『私、顔に出てる?』
そう尋ねると高尾君は大きく頷いた。
福「辛気臭い顔だったぜ。チビ、笑え笑え!」
笠「まあ、俺らが支えればいいだろ」
前を歩いていた福井さんと笠松さんも口々に言う。
花「ふはっ!当たり前だ」
私の後ろを歩いていた真までもが言った。
みんなの優しい言葉に鼻がツンとくる。
また泣きそうだ。
貴『私、頑張ります』
福「任せっきりじゃねぇからな?」
貴『はい!』
*********************
ついに2階へと辿りついた。
先ほどから頻繁に揺れを感じ、その度躓きそうになった。
それでもなんとか早瀬のいる集中治療室に辿り着いた。
高「ついにか…」
扉の前で立ち止まる。
私はギュッと拳に力を入れた。
福「大丈夫だ。お前なら出来る」
笠「それにもしものことがあった時のために俺らがいるのを忘れるな」
花「ぜってぇお前を守るから」
高.笠.福「…」
花「なんでお前ら黙るんだよ」
高「なんかwww花宮サンの言うセリフとは思えなくてwww」
福「ブファwwwwそれマジ言えるwww」
笠「花宮でもwww言う時くらいあんだろwww」
花「お前らなんなんだよ!!」
顔を赤くさせた真が廊下に響く大きな声で怒鳴った。
なんとか真を宥めさせて私達は中へ入った。
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サイガ(プロフ) - しょうどうぶつさん» コメントありがとうございます!いい話って言ってもらえて励みになりますね!ありがとうございます!!(^^) (2018年8月27日 6時) (レス) id: 19e5edb018 (このIDを非表示/違反報告)
しょうどうぶつ - ホラー怖いけどすげーいい話で涙が....( ; ー ; ) (2018年8月27日 0時) (レス) id: 4dcfc1ef4e (このIDを非表示/違反報告)
サイガ(プロフ) - 結愛さん» ありがとうございます!中身が福山さんって考えてください笑笑興奮します笑笑 (2018年1月19日 20時) (レス) id: 19e5edb018 (このIDを非表示/違反報告)
結愛 - え、感動です!!!!本当に!なんか花宮今まででちょっと苦手だったんですけどこの小説を読んで好きになりました!! (2018年1月18日 20時) (レス) id: 1370f18119 (このIDを非表示/違反報告)
サイガ(プロフ) - 俺ツボサァンさん» 泣いてくれて良かったです!^ ^読んでいただきありがとうございます! (2017年2月15日 7時) (レス) id: 19e5edb018 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:サイガ | 作成日時:2014年4月29日 13時