脱出 5 ページ8
.
.
まあ、それは誰だって思っていると思う。
それとももうみんな慣れているのかな?
赤「君は花宮真の知り合い?」
どうしてそこで真の名前が出るのだろう?
貴『…はい。私と真は今吉先輩と同じ中学出身でよく三人でいましたし、元々真とは幼馴染で、昔からずっと一緒です』
赤「じゃあ君はバスケ部のマネージャーかい?」
この流れからして自然な質問なのに私は身体を強張らせた。
部活関係はあまり聞いてほしくない質問だから…。
貴『わ、私は…』
言うか言わないかで迷っている時、スッと今吉先輩が私の前に立つ。
今「Aは帰宅部や。学校終わったら家でぐうたらしとるんやろ?」
隣で笑いながら赤司君に説明してくれた今吉先輩。
事情を知ってるからこそ、私が言いたくない事も分かって代弁してくれたのかもしれない。
赤「…そうか。ますます君の存在がわからないな」
私だってどうしてここにいるのかわからない。
こんな非科学的な現象だって説明出来ないし、信じきれてない。
報告会(?)は終わり、どこにも移動出来なくなってしまった私達は手詰まり状態だった。
各自休んでくれ、と赤司君の一言でみんな思い思いの場所へ行く。
各学校のキャプテンは赤司君のところに集まり、話合いが始まっていた。
そんな中、私は部屋の隅っこに座ってこれからどうなるんだろうかと不安に思っていた。
紫「ねぇねぇ」
突然近くで声がして顔を上げるとそこには大きな巨人がいた。
デカ過ぎて少し怖い。
氷「アツシ、彼女が怖がってるだろ?」
紫「俺怖がらせてないし〜」
あっ、思い出した。
確か紫原君と氷室さんだ。
貴『どうしたの?』
紫「Aちん、お菓子持ってない?」
Aちん?変わった呼び方だな…。
貴『ちょっと待ってね』
ブレザーのポケットの中を探ると携帯が出てきた。
そういえば、学校で不審者に追いかけられていたのは携帯を取りに戻ったからだ。
ちなみに携帯が入ってた方とは反対ポケットからは飴玉が出てきた。
貴『飴玉しかなかったけどいい?』
紫「ありがとう、Aちん」
嬉しそうに笑った紫原君。
子どもみたいで可愛いな。
他にも何か入ってないか確認すると、スカートのポケットに手を入れた時、指先にコツッと何かが当たった。
取り出してみるとそこには鍵が入っていた。
家の鍵でないことは確かだ。
じゃあ、これはどこの鍵なんだろう?
293人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
レイナ(プロフ) - 花宮落ちが良いなと思います。 勝手ですみません(´×ω×`) (2015年7月27日 4時) (レス) id: 88a6ecb96b (このIDを非表示/違反報告)
サイガ(プロフ) - 静狐さん» えっ!? (2015年7月3日 19時) (レス) id: 68af667ea3 (このIDを非表示/違反報告)
静狐 - 今吉さんです! (2015年7月3日 16時) (レス) id: c3c93e9f8b (このIDを非表示/違反報告)
サイガ(プロフ) - 秋狸さん» ありがとうございます!頑張って更新しますね! (2015年2月16日 17時) (レス) id: 68af667ea3 (このIDを非表示/違反報告)
秋狸 - サイガさんの脱出シリーズ待ってました!怖いけど楽しく読んでます!これからも頑張ってください! (2015年2月16日 16時) (レス) id: b6fc68a439 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:サイガ | 作成日時:2014年3月11日 13時