脱出 43 ページ46
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「…!」
何やら声がして目を覚ます。
泣き疲れて寝てしまったのだろうか?
私は横になっていて、毛布が掛けられていた。
氷「目が覚めた?」
身体を起こすと右隣に氷室さんが座っていた。
貴『お、おはようございます?』
氷「おはよう」
実「もう少し寝ていてもよかったのよ?」
その左隣にはレオ姉が座っている。
貴『いえ、大丈夫です…』
困惑しながら周りを見渡すと会議室にいる人数が少なかった。
森「みんなカルテ探しに向かったよ。俺達は3階ナースステーションに割り当てられてるけど、Aちゃんをもう少し休ませてあげようってことになってまだ出発してない」
なんだか気を遣わせてしまって申し訳ないな…。
3階ナースステーションへ向かうメンバーは私とレオ姉、森山さん、氷室さんと降旗君の五人だそうだ。
貴『あっ、ごめんなさい。それじゃあ早く行きましょう』
実「その前に目を冷やしなさい」
と、レオ姉がいきなりタオルで私の目を抑えつけた。
ひんやりと冷たくて気持ちがいい。
実「いっぱい泣いてこんなに目を赤くさせて…。冷やさないでどうするの!」
氷「水も飲んだ方がいいよ」
貴『…レオ姉、氷室さん。ありがとうございます』
降「森山さん、これがきっとモテる理由ですよ」
森「くっ…、俺の出番が…」
ひんやりとしたタオルのおかげで目の痛みが少し引いてくれた。
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少し休憩した後、私達は3階へとやってきた。
十分に休憩したのにレオ姉がまだ休憩が必死って言うからお言葉に甘えてもう少し休ませてもらった。
降「あれなんだろ?」
曲がり角で立ち止まっていた降旗君が暗い廊下の先をジッと見つめていた。
同じように私も見つめていると、ゆらゆらとした白い光が見えた。
森「もしかして人魂かっ!」
実「それはないわよ」
しばらくすると白い光はスーっと近づいてきた。
近づくにつれ、それは人の形へと変わる。
少し怖くなって私は森山さんの後ろに隠れた。
森「Aちゃん///積極的なんだね」
貴『…』
すごく残念そうな視線を送ってから氷室さんの後ろに移動する。
氷室さんは優しく頭を撫でてくれた。
実「きっとこれが正解よ、森山さん」
森「くそっ!ネットさえ使えたら!」
降「もう、ネットから卒業した方がいいと思いますよ…」
森山さんってネット中毒者なのかな?
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レイナ(プロフ) - 花宮落ちが良いなと思います。 勝手ですみません(´×ω×`) (2015年7月27日 4時) (レス) id: 88a6ecb96b (このIDを非表示/違反報告)
サイガ(プロフ) - 静狐さん» えっ!? (2015年7月3日 19時) (レス) id: 68af667ea3 (このIDを非表示/違反報告)
静狐 - 今吉さんです! (2015年7月3日 16時) (レス) id: c3c93e9f8b (このIDを非表示/違反報告)
サイガ(プロフ) - 秋狸さん» ありがとうございます!頑張って更新しますね! (2015年2月16日 17時) (レス) id: 68af667ea3 (このIDを非表示/違反報告)
秋狸 - サイガさんの脱出シリーズ待ってました!怖いけど楽しく読んでます!これからも頑張ってください! (2015年2月16日 16時) (レス) id: b6fc68a439 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:サイガ | 作成日時:2014年3月11日 13時