脱出 36 ページ39
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貴『ねぇ、中にいるお兄ちゃん達を外に出してくれたら、お姉ちゃんと遊んであげるよ。それでどうかな?』
目線を合わせるために腰を落として話しかけてみる。
男「いーや!緑のお兄ちゃん達を外に出してる間にお姉ちゃん帰っちゃうもん!」
この子には困ったものだ。
なんとしてでも緑間君達を部屋から出してもらわないと…。
貴『だったらあのお兄ちゃん達の代わりにお姉ちゃんが中にいるよ。それならいいでしょ?』
黄「そんなの危険ッスよ!」
伊「俺が代わりになるからAちゃんはそこにいて!」
男「だーめ!これは僕とお姉ちゃんの取り引きだもん!お兄ちゃん達はその場から動かないの!あっ、壁にいた方がいいよね。お姉ちゃんは扉の前にいてね!」
男の子の指示で私は緑間君達がいる手術部屋に入る扉の前へ、伊月さん達は頑なに拒否をした。
黛さんと葉山さんはすぐに壁に背中を預けていた。
貴『誰かが代わりになる必要がありますから…』
黄「そんなの嫌ッス!」
伊「一度戻って作戦を立て直そう!」
私『これは私の方が向いてると思いますよ?緑間君達を会議室まで連れ戻すのに私じゃ力不足ですから。それに、戻って作戦を立て直す時間はないですから』
黛「そうだな。氷雨じゃ役に立たないだろう」
若「お前、その言い方はねぇだろ!」
貴『いいんです!若松さん!とにかく、緑間君達のことよろしくお願いしますね』
伊月さん達は私から距離がある壁へ立たされた。
それを確認すると男の子は満足気に頷く。
男「じゃ、お姉ちゃん入っていいよ!」
ガチャリと鍵が外れる音がした。
一呼吸置いて私はドアノブに手を掛け中へ入った。
中へ入るとすぐさま三人に声をかけた。
貴『緑間君、木村さん、大坪さん!もう大丈夫です!救出に来ました!』
大「す、すまない…」
酷い怪我なのだろう。
大坪さんはとても苦しそうだった。
木村さんは返事をするのも無理なくらい辛そう。
緑間君は気を失っていた。
男「次はお姉ちゃんがこのお兄ちゃん達から離れてね!お兄ちゃん達自分の足で外に出れるでしょ?」
大「氷雨は…どうするつもりだ?」
貴『私はここに残ります。まずは怪我の手当てをしないといけない三人は優先的に出てもらいますよ』
大「しかし…」
貴『大丈夫です。みんなが助けに来てくれますから』
せめて安心してくれるようにと出来るだけの笑顔で答えた。
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レイナ(プロフ) - 花宮落ちが良いなと思います。 勝手ですみません(´×ω×`) (2015年7月27日 4時) (レス) id: 88a6ecb96b (このIDを非表示/違反報告)
サイガ(プロフ) - 静狐さん» えっ!? (2015年7月3日 19時) (レス) id: 68af667ea3 (このIDを非表示/違反報告)
静狐 - 今吉さんです! (2015年7月3日 16時) (レス) id: c3c93e9f8b (このIDを非表示/違反報告)
サイガ(プロフ) - 秋狸さん» ありがとうございます!頑張って更新しますね! (2015年2月16日 17時) (レス) id: 68af667ea3 (このIDを非表示/違反報告)
秋狸 - サイガさんの脱出シリーズ待ってました!怖いけど楽しく読んでます!これからも頑張ってください! (2015年2月16日 16時) (レス) id: b6fc68a439 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:サイガ | 作成日時:2014年3月11日 13時