脱出 13 ページ16
.
.
そんな黒子君の言葉を見事にスルーして日向さんがゆっくりドアノブに手を掛け扉を開く。
鍵がかかっていなかったのですんなり開いた。
貴『ここは調べれますね』
伊「警備室だと鍵とかあるかもしれないな」
中に入ろうとした時だった。
先頭にいた日向さんが立ち止まった。
日「お前ら、走る準備しろ」
突然日向さんが低い声でみんなに言う。
何事かと思って日向さんを見ると、顔が引きつっていた。
声と顔のギャップが…。
怒っていると思ったのに…。
でも、なんだか冗談を言える雰囲気ではなかった。
日向さんが見ている方向に視線を送った。
伊「何だあれ…」
数メートル先の廊下に血まみれで片手に包丁らしき刃物を持った白衣の男がゆらゆらとこちらに向かって歩いてきていた。
真っ白だったであろう白衣はほとんど赤で染まっている。
あれ、捕まったら完璧殺.される。
頭の中では危険だと訴えるようにサイレンが鳴り響く感じがした。
木「あれはまずいな…」
黒「木吉先輩がまともってことはかなり危険ですね」
基準がよく分からないけど、空気がピリピリとしているのでみんな真剣なのだと分かる。
日「俺が合図したら後ろに走れ」
みんなが静かに頷く。
目の前の白衣の男に警戒しながらゆっくりと後ろへ下がる。
その行動が私には数時間続いているように感じた。
少しつづ男から距離を取ろうとするがなかなか差は縮まらない。
早く走り出したかったけど、私は日向さんの合図を待った。
そんなやり取りの中で先に動いたのは白衣の男だった。
男は刃物を振り上げながら走ってきたのだ。
日「っ!は、走れ!」
思いもしない速さで走ってきたので日向さんの合図は少し遅れた。
それでも流石バスケ部。
走りは皆早かった。
そんなことよりも追いかけてくる男のことで頭がいっぱい。
あれは何?振り返ろうにも怖いし、そんな余裕もない。
伊「あいつ!まだ追いかけてきてるぞ!」
日「二手に別れるか!?」
黒「もうすぐしたら曲がり角があります」
火「分け方は!?」
木「それぞれの勘だ!」
黒子君の言う通り、真っ直ぐの道と
曲がり角があった。
私は夢中でその角を曲がった。
日「こっち来たぁぁぁぁぁぁ!」
木「日向!あいつ目がないぞ!」
黒「…ゾンビですね」
どうやらキレイに三人づつ別れたようだ。
そして、日向さん、木吉さん、黒子君の声はだんだんと小さくなっていった。
293人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
レイナ(プロフ) - 花宮落ちが良いなと思います。 勝手ですみません(´×ω×`) (2015年7月27日 4時) (レス) id: 88a6ecb96b (このIDを非表示/違反報告)
サイガ(プロフ) - 静狐さん» えっ!? (2015年7月3日 19時) (レス) id: 68af667ea3 (このIDを非表示/違反報告)
静狐 - 今吉さんです! (2015年7月3日 16時) (レス) id: c3c93e9f8b (このIDを非表示/違反報告)
サイガ(プロフ) - 秋狸さん» ありがとうございます!頑張って更新しますね! (2015年2月16日 17時) (レス) id: 68af667ea3 (このIDを非表示/違反報告)
秋狸 - サイガさんの脱出シリーズ待ってました!怖いけど楽しく読んでます!これからも頑張ってください! (2015年2月16日 16時) (レス) id: b6fc68a439 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:サイガ | 作成日時:2014年3月11日 13時