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カツアゲ ページ22

キドside

「っちょっと……」

「なぁ、姉ちゃん。ちょっと金を渡してくれって言ってるだけだろ?」

「だから、お金持ってないって……」

「ああ?まさか一文無しってのはねぇだろ。姉ちゃんよぉ、帰りたいんだろ?だったらさっさと金寄越せよ」

ああ、帰りたい……。

買い出しの帰りにチンピラに捕まって早10分。すでに同じ会話を十回は繰り返していて、いい加減チンピラの口調も強まってきた。

やっぱり、お金を渡してしまった方がいいのか……。

「……わかった」

「やっとか」

俺が頷くとチンピラが頬を緩める。どうせ大した額は入ってないと溜め息を吐いた俺は、やけくそで財布を渡した。

「へへっ。物分かりのいい奴だな」

あっ、10分経ったのに俺物分かりいい方なんだ……。こいつバカだな(確信)。

心の中ではいくらでも罵倒できるが、口には出せない。とっとと腕を離してくれないかとチンピラの顔を睨んでいた時だった。

「よ、4円……?テメェ、全然金入ってねぇじゃねえか」

「だからさっきそう言っ……え?4円?」

4円?

4という数字が脳内で踊り出す。

4円って何だ?俺いくら財布に入れたんだっけ?

「しかも何でちょっと不吉な数字なんだよふざけんなよ」

「誰に言ってるんだよお前……」

あまりのショックに逆ギレする俺を、若干怯えた目でチンピラが見ている。

4円って、買い物帰りの財布にあっていい金額なのか?

小学生のおつかいか?

「小学生のおつかいかよ」

チンピラが呟く。その直後、サアッとチンピラの顔から血の気がなくなった。嫌な予感がして口を開く。

「……あ」

「……もっ、もしかしてお前ほんとは小学生なのか?」

「いや違」

「あっ、ごめんなー!君背高いから俺気づかなかった!ごめんな邪魔して。ちゃんと母ちゃんのとこ帰るんだぞ!」

「いやだから違」

「じゃあな!」

「……」

チンピラが走り去っていく。そのまま車に轢かれて◯ねと思ったが、チンピラはピンピンしたまま走っていって見えなくなった。

「……帰ろう」

俺はぽつりと呟いて再び歩き出した。



方法:中身のない財布を渡して年齢を偽る。

結果:大成功!(白目)

セトさんハピバ!→←ヤンデレ ※遥貴が結構がっつり入ります



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設定タグ:カゲプロ , ギャグ , 小説あるある   
作品ジャンル:アニメ
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氷雨 - お兄様〜早く更新してほしいなぁ〜(ハァト (2017年9月30日 16時) (レス) id: da09b77ce1 (このIDを非表示/違反報告)
甘党オレンジ(プロフ) - 氷雨さん» あまり安心できないなそれ (2017年8月20日 7時) (レス) id: 10ef3df574 (このIDを非表示/違反報告)
氷雨 - 甘党オレンジさん» 当たり前でしょう。カノとモモの会話にデジャヴしか感じなかった。安心しろ、セクハラ組も同じポジションだ (2017年8月20日 4時) (レス) id: 3b913bb1e0 (このIDを非表示/違反報告)
甘党オレンジ(プロフ) - ミサさん» めっちゃ共感されてますねありがとうございます。シンタロー君モテそうですけどね。…マジで誰か応援派の人いないかなぁ (2017年8月19日 23時) (レス) id: 10ef3df574 (このIDを非表示/違反報告)
甘党オレンジ(プロフ) - 氷雨さん» …私はカノと同じポジションですかね? (2017年8月19日 23時) (レス) id: 10ef3df574 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:甘党オレンジ | 作成日時:2017年2月7日 22時

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