カッターキャー(？)２ ページ17
カノside
「いやー、呼び出しなんて久しぶりだなぁ」
大きく伸びをして独り言を呟く。
視線を感じて振り向くと、曲がり角からモモちゃんがこっちを見ていた。
「ねえなんで『うわぁ』みたいな顔して」
「うわぁ」
「被せないでもらえると嬉しいかな」
「うわぁカノさんだ」
「聞いて？」
一向に話を聞いてくれる気配のないモモちゃんに、会って数秒で心をズタズタに引き裂かれる。
僕は諦めて話しかけた。
「そこで何してるの？」
「職員室に行こうとしたら一人で喋ってる不審者がいたので、通報しようかなーと」
さらりと恐ろしいことを言ってのけるモモちゃん。わかってはいるが一応聞いてみた。
「…僕のこと言ってるのかなそれは」
「はい」
「オブラートの欠片もないね」
「あ、通報したほうがいいですか？」
「話が噛み合ってないかな…って待って待ってわかったいや何がわかったのか全然わかんないけどちょっと待ってそのボタン押さないで押しちゃダメだってちょっ」
無慈悲にもモモちゃんは通話ボタンを押した。
画面に「通話中」の三文字が浮かび上がっているのを見て、僕は気絶しそうになりながら近づく。
「待ってモモちゃん。まだ間に合う。今なら間に合うからそれ切」
「もしもしセトさん？」
「セトかよ畜生」
セトだよ畜生。
話かけようにも電話中だったので、安堵と怒りと恐怖の入り混じった複雑な心情でその場を後にして、やっと屋上にたどり着いた。
呼び出しの手紙には扉のあるところの裏側だとあったので、そこまで回ってみる。
そこで僕が見たのは＿＿
(刃物ーっ！刃物持ってるあの子！！)
刃物ちゃんでした。
しかも少し怠そうに振り回しながら辺りに殺気を撒き散らしていて、もう僕を殺す気だということしかわからない刃物ちゃん。
このまま「カノですテヘペロ！」とか言いながら突っ込んでいくのは自◯行為だということを察して、僕は引き返すことにした。
…のだが。
ヒュンッ
「ひっ！？」
何か鋭いものが頬を掠めて地面に落ちる。
恐る恐る振り向くと、そこには…
「逃げるなんて男らしくないなぁ。やっぱりこんなのがキドさんの隣にいるなんてありえないよ」
と、面倒くさそうなこと言ってる刃物ちゃんがいたもう刃物持ってないけど。
まあそんなこと言われても女の子同士の危ない世界にもつれ込むなんて怖くて出来ないので全力で逃げました。
方法:色々察して全力疾走。
結果:先生には捕まった。
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氷雨 - お兄様〜早く更新してほしいなぁ〜(ハァト (2017年9月30日 16時) (
レス) id: da09b77ce1 (このIDを非表示/違反報告)
甘党オレンジ(プロフ) - 氷雨さん» あまり安心できないなそれ (2017年8月20日 7時) (レス) id: 10ef3df574 (このIDを非表示/違反報告)
氷雨 - 甘党オレンジさん» 当たり前でしょう。カノとモモの会話にデジャヴしか感じなかった。安心しろ、セクハラ組も同じポジションだ (2017年8月20日 4時) (レス) id: 3b913bb1e0 (このIDを非表示/違反報告)
甘党オレンジ(プロフ) - ミサさん» めっちゃ共感されてますねありがとうございます。シンタロー君モテそうですけどね。…マジで誰か応援派の人いないかなぁ (2017年8月19日 23時) (レス) id: 10ef3df574 (このIDを非表示/違反報告)
甘党オレンジ(プロフ) - 氷雨さん» …私はカノと同じポジションですかね？ (2017年8月19日 23時) (レス) id: 10ef3df574 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：甘党オレンジ | 作成日時：2017年2月7日 22時
