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待てど暮らせど返事がこない。大方、作業中で連絡を確認するのが面倒、ってところだと思う。
……どうすればいいんだ、これは。
「あ」
「ん、どうかしたん? なるせ」
「納期」
「……帰ろう」
よくわからない何かが速攻で決定して、なるせの家の方へ歩いて行った。なんでかわからないけど、並ぶと強そうに見えるんだよな、あの二人。
二人が少し離れたところで、Aが待っているタリーズへ足を向ける。怒るだろうな、あいつ。性格面倒だし。外面だけはいいけど。
お詫びの品に何を貢ごうかな、と考えつつ、まだ既読すらつかないLINEのトーク画面をスクロールする。
少しずつ、ネオン看板が光を放ち始める。一晩中店の名前を照らすそれは、東京では多すぎて少し目に痛い。
秋田生まれのAも、それには同意してくれるから、帰りはそんなことを話しながら帰ろうかな。
なんて、頭の中で話題をぐるぐる回してタリーズのドアに吸い込まれる。
「あ、いた。お待たせ」
「おつかれ」
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らいむ@ - すごく好きです!更新楽しみにしてます! (2019年3月6日 16時) (レス) id: 6a02a5c532 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:硝子体 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/glass/
作成日時:2019年1月7日 0時