x'mas ページ19
「おつかれ」
ヴァイオリンのケースを背負った、めちゃくちゃもこもこしたのを拾ってから、家のほうへ車を走らせはじめる。
「つかれた」
置いといたコーヒーを冷ましながら飲む彼女にシートベルトを締めるように言う。
「家にはいま三匹のにゃんことくーらーくんとそのカノジョさんがいます」
「え、なんで」
いや、こっちも聞きたいんだけど。なーんか打ち合わせ終わりに着いてきた。ごはん作って待ってますねーとか言うから甘えてしまったけど。
「今日でここの演奏は終わり?」
「んー、次の次ぐらいかな、やるとしたら」
「じゃあそのときも誰か冷やかしに来るよ」
今回はあれか、確かなるたちが遊びに行ってたんだっけな。美味しかったねーってLINEしてきたから覚えてる。
「あれ、わりと気づかないんだよね。見られてても」
「へー、じゃあ俺もいこっかな」
「おじさん一人じゃ浮くからやめなよ」
「お前も一緒だわボケ」
「は⁈ 突然の暴言やめてくんないメンヘラになるよ」
「大丈夫だよ、見た目はもうメンヘラだから」
「くーらーくんとカノジョさんがごはん作ってくれてなきゃ刺してたからね」
「過激なメンヘラにサンタクロースは来ないよ」
「サンタクロースは平等だから! だってまだうちに来るでしょ⁈」
とかぎゃーぎゃー言いあって、車庫に車を停めてもまだうるさいのでとりあえずキスして黙らせた。クリスマスだからキリストが許してくれるでしょ。
終わり ログインすれば
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らいむ@ - すごく好きです!更新楽しみにしてます! (2019年3月6日 16時) (レス) id: 6a02a5c532 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:硝子体 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/glass/
作成日時:2019年1月7日 0時