四十四人 ページ2
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「ぅ、」
呻き声の様な声を上げて、私はシパシパとした目を覚まそうとする。
………一面に広がるピンク色。一国の姫を彷彿とさせる様な服の数々。
「………此処、何処?」
?「ボクのマイルームだよっ!どうどう?気に入ってくれたかなぁ?」
その場でピョンピョンと跳ねて、棒付きキャンディーを両手に持つ彼は確か、
「飴村、さん。」
乱数「えー、折角だしぃ乱数って呼んでよっ!」
「っ、乱数さん。」
本当は、苗字の方で呼びたかった。何故なら、親近感を持ちたく無いし、持たれたくも無いからだ。
乱数「そうそう♪ボクの名前、いーっぱい呼んでね!」
乱数さんはそう言うと、ニコリと可愛らしい女の子の様な甘い笑みを浮かべて私の事を抱きしめた。
乱数「……ボクね、君のこと助けようと思ったんだ。」
コソリと耳元で囁かれたその言葉を聞いた瞬間にブワッと気持ちが動いた。
………助ける?本当?
「あ、の乱数さん!」
乱数「んー?何々〜?」
「た、助けて下さい。私、」
乱数「言わなくて良いよ。ボクは君のこと、ぜーんぶ知ってるからね。」
「ら、乱数さんっ!」
嬉しさのあまり、今度は自ら乱数さんの胸の中に飛び込んだ。
そうして、間も無く頰に生暖かい物が伝った。
乱数「こら、泣いたらメッだよ!可愛い顔が台無しに、」
乱数さんはそう言うと私の涙をすくい取って、またニコリと微笑んだ。
嗚呼、こんなに優しい人もこの世には居るんだ。
神様、ありがとうございます。
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紫陽花 - 続き、楽しみに待っていますね (2021年1月17日 20時) (レス) id: 7d26cf7009 (このIDを非表示/違反報告)
Sss11014762(プロフ) - 続き楽しみにしていますね (2020年10月21日 15時) (レス) id: a4b3cd2d43 (このIDを非表示/違反報告)
Sss11014762(プロフ) - とっても面白かったです (2020年10月21日 15時) (レス) id: a4b3cd2d43 (このIDを非表示/違反報告)
信乃 - これってもう投稿されないんですか? こんなに面白い作品なのに (2020年5月3日 7時) (レス) id: db4fa22712 (このIDを非表示/違反報告)
月華姫(プロフ) - 初めまして!51話にて誤字報告です!最後あたり『もし【さ】して、○○は』で【か】です。此れからも応援しています(`・ω・´)bではまたっ♪ (2019年9月9日 9時) (レス) id: 8c63610ac2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:飴村虚数 | 作成日時:2019年7月7日 13時