兄さんが優しい理由。【黄瀬涼太】

禁恋...22★ ページ24

貴「もうっ、早くそんなもの捨ててください!!」



黄「まあまあまあ、いい思い出じゃないっスか。ね？」




兄さんが少し困ったように笑って


私の頭をなでなでする手が
どうしようもなく恥ずかしい。




貴「子供扱いやめてください!!」




黄「だってAが. . . . . て、え？赤司っちなにして. . .」




赤司くんに渡った私と兄さんのチューしてる写真を赤司先輩が眺めながら




鞄からハサミを取りだして




その写真をざくざくと切り出した。




黄「あああ赤司っちいぃぃ！？ちょ、やめて!!」




兄さんの必死な願いもむなしく



写真はただの紙吹雪のような細かさに切り刻まれてしまった。




黄「うあぁぁぁぁああｯｯ!!!ひどいっス!!!俺の大切な写真をっ」




赤「Aが捨てると言ったからいいだろ」




私もびっくりしましたが


そんな、本気で捨ててほしいとは思ってませんでしたけど...




.




.




赤「A、嫌だったか？直してほしいなら今すぐ修復する」




貴「い、いいですよ...そんな」




兄さんはまだうわああと嘆いている。




赤「俺たちは、もう帰るよ。邪魔したな」




貴「いえ。お気をつけて」




私は外に出て皆さんを見送った。



けれど、赤司先輩だけは少し不満げな表情で帰っていった。




黄「Aー、この写真なおるっスかね？」




貴「兄さんは早く寝てください!!何回言わせるんです」




とりあえず、兄さんは部屋に押し込んだ。




.




.




それにしても、



この写真。

兄さんほんとに悲しそうだったな。




...直しとこうかな。こっそり。




.




.




私、兄さんの前ではあんなことばっかり言ってたのに




結局、兄さんのために何かしたいと思うなんて




変ですね。




.




.




.




けど、



なんで赤司先輩は

この写真を切ったんでしょうか....




.




.

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