16 ページ16
俺がAを好き
この喋る筋肉ダルマは何を言ってやがんだ?なんでそういう発想になるんだよ。
「大体よぉ、Aを女として意識してなきゃそういう考えにも至らねえだろ?夜遅くに女ひとりで帰らす心配の方が勝るなら、お前が送っていくなり屋敷に泊めるなり取るべき行動は決まってるはずだ。迷う必要もねえ。」
指摘を受け、宇髄を羽交い締めにしようとする動きが止まる。
過去に何度もAとこの事について論争してきた。そこまでして俺の世話をするのはやめろと。だがAは俺の言うことを頑に聞かなかった。ならばと家まで送ろうとすると「絶対に着いて来ないでください!」と言って断固拒否。Aは俺の屋敷と自分の住う小屋は近いから安全だと言い張り、実際にAと一緒に散歩がてらAの小屋まで歩いた時にそれは確認した。
しかしそれも夜となれば話は違う。
夜は鬼が出る。鬼以外にも危険がいっぱいだ。幾ら鬼殺隊員として日々鍛錬をしているとはいえ、あいつは女で俺からすればまだ子ども…
「好きとかそういうんじゃねェよ。あいつは…妹みてぇなもんだァ。」
酒が回る頭を必死に回転させて出した答えがこれだ。俺はあいつをひとりの女としては見てねェ。
「なら答えは出てるだろ?」
宇髄がニヤッと笑う。
「妹と一つ屋根の下で衣食住をするのは何も可笑しいことじゃねえよなあ?それとも、お前は妹に発 情でもすんのか?」
突き付けられたド正論が頭の中で木霊する。
「そういやA、今日長期任務から戻ったらしいな。会議前に産屋敷邸であいつと会ったわ。新人隊員も任務に参加してたとか。またあいつの支持者が増えちまうなあ?」
スッと宇髄から離れ胡座を掻くと、徳利に入った酒を一気に飲み干しダンッと酒器を机の上に置く。
「…っはぁ〜〜〜!!」
「おお!!ド派手でいいじゃねえか!!」
うるせえよ。Aの支持者が増えるだのどうこうなんざ気にしている余裕はねェ。飲んで誤魔化さねえと頭がどうにかなっちまいそうだァ。
「悩む必要なんかねえだろ!自分の気持ちに素直になりゃいい!とにかく今は酒の席だ!今ぐらいは飲んで忘れようじゃねえか!!」
宇髄は次々と俺の徳利に酒を注ぐ。
いつもならいい加減にしろとブチ切れるところだが今日はそうもならない。飲んで忘れるなんて弱味噌みてェなことしたくはねェが仕方ねェ。
酒は飲んでも呑まれるな。
753人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
瑠璃瑚(プロフ) - 釈迦様さん» お恥ずかしい変換ミスです…作中一通り見直して訂正はしたのですが、まだ直っていない箇所が有ればご指摘頂きたいです。 (2020年2月19日 20時) (レス) id: f99ae6b9f6 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃瑚(プロフ) - しらとぅさん» なんとお優しい、、ありがとうございます!>< (2020年2月19日 20時) (レス) id: f99ae6b9f6 (このIDを非表示/違反報告)
釈迦様 - 師範が市販…°。:(°ε°)ブフッ! (2020年2月17日 0時) (レス) id: bccea59c19 (このIDを非表示/違反報告)
しらとぅ(プロフ) - 瑠璃瑚さん» いえいえ!誰でもミスはありますよ!これからも頑張ってください! (2020年2月8日 20時) (レス) id: 785ac6cfee (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃瑚(プロフ) - しらとぅさん» ご指摘ありがとうございます!お恥ずかしい変換ミスをしてしまいました、、>< (2020年2月8日 20時) (レス) id: f99ae6b9f6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:瑠璃瑚 | 作成日時:2020年1月11日 14時