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しかし、トガはめげないどころか全く意に介した様子がない。
「Aくん…カァイイ名前!」
そう言って、十代の女の子らしくときめく彼女を無視するほどAも人を捨ててはいなかった。
「…そう?」
「お似合いです!荼毘くんとも!」
最後の一言で、荼毘の苛立ちも不思議と引っ込んだ。
「(荼毘くん…!わかります、だって乙女だもん)」
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翌日の夜。
雄英の林間合宿先の森林、要はプッシーキャッツらの私有地では、黒煙が立ちのぼり有毒ガスが蔓延していた。
というかもう結構な規模の山火事である。
言わずもがな、それはAの隣で木を燃やしに燃やしている荼毘と、この森のどこかにいる学ランのガスマスクマンが原因である。
「さァ始まりだ。地に堕とせ、敵連合"開闢行動隊"」
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と、荼毘が仮リーダーとして指示を出したのが何分前だっけ。
なんて考え始めるほど、襲撃から撤収まで、正に電光石火の早業だった(※当社比)。
「幕引きだとよ。帰るぞ」
予定では5分後に回収地点へ集合、だった気がする。
Aは急遽参加したために彼用の無線を持っておらず、通信がある度に荼毘に教えてもらうしかなかった。
「おい荼毘無線聞いたか?!
テンション上がるぜMr.コンプレスが早くも成功だってよ!遅えっつうんだよなぁ!?眠くなってきちゃったよ」
荼毘と共にAを挟むような立ち位置で歩く覆面を被った男、トゥワイスがあべこべに話す。
「そう言うな、よくやってくれてる。後はここに戻ってくるのを待つだけだ。
予定じゃここは炎とガスの壁で見つかりにくいハズだったんだがな…ガスが晴れちまってら。
予定通りにはいかねぇもんだな」
「そりゃそうさ!予定通りだぜ」
「…?」
その時ふと、Aが足を止めた。
荼毘の上着を条件反射で掴んでしまったのですぐ手を離したのだが、案の定彼は気づいた。
「A?」
「……そこ。誰かいるかも」
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篠瀬(プロフ) - 金爽さん» こちらこそ、読んでいただき、コメントもくださりありがとうございます😆そう言っていただけると本当に嬉しいです!! (4月1日 8時) (レス) id: e526e5a105 (このIDを非表示/違反報告)
金爽(プロフ) - あ、、さ、さいこう。ありがとう、ござい、ます。 (4月1日 0時) (レス) @page35 id: 39dbcee998 (このIDを非表示/違反報告)
篠瀬(プロフ) - ありがとうございます!とっても励みになります!!もっと面白い話をお届けできるよう、これからも頑張ります!! (3月27日 10時) (レス) id: e526e5a105 (このIDを非表示/違反報告)
本好き - 面白かったです(^o^) 更新頑張って下さい! (3月27日 9時) (レス) @page25 id: 6183cd2648 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:篠瀬 | 作成日時:2024年3月11日 11時