第203話「収束。弐」夢主 ページ21
「いろは?」
「うん……今はちょっと待ってね、レジーナ。」
「いろは〜〜!!」
「太宰さんも少し離れていてください、資料の確認をしているんですから。」
私達が探偵社に着くと、一葉ちゃんも丁度到着した所だったらしく、探偵社に続く階段の前で茶封筒を受け取りそのまま社でこうして谷崎さんと共に確認しているのだが__
「あぁもうっ、二人共いい加減にしてください!!全て片付いたらちゃんと付き合ってあげますから!!」
抱き着いたりして注意を引こうとしてくる太宰さんとレジーナに、私は怒りを爆発させる。
……と、二人はしゅんとして私と谷崎さんが読む終わった資料を読みだしたのだった。
「……いろはちゃんも大変だなぁ。」
「……。」
賑やかな私達を見て、苦笑する敦くんの隣で、鈴音さんが不愉快そうな表情をしているのを視界の端で捉える。
……そう、やっぱり目的は__
「ねぇいろはちゃん、これなンだけどさ……」
「……え?嗚呼、これならこっちの書類に__」
私は鈴音さんに負けてはいけないのだ。
__________________________________________________________________________________________
終業の合図の何処か寂しい音楽が鳴ったのを合図に、私は彼女__鈴音さんの前に立つ。
「……何か御用ですか、暁さん?」
「そう、鈴音さんに用があるんです。……ですから、この後良いですか?」
にこやかに問い掛けてくる鈴音さんに、私もにこやかに笑い返す。
「私は良いですよ。」
「なら、付いて来て下さい。」
互いに花が咲くような笑顔であるのにも関わらず、周りの温度はどんどん下がっていく。
__さぁ、ここからは今回の事件解決編だ。
主役は私、黒幕は__。
5人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:業猫 | 作成日時:2020年8月31日 21時