【文豪ストレイドッグス】もういちど。参【中島敦】 (ページ7)

今日:4 hit、昨日:5 hit、合計:7,408 hit

第100話「アンの部屋」アグラソルページ7

「遊びましょ☆」

少女が振り返った瞬間＿＿つまり、それは僕が異能を発動した瞬間を意味する＿＿…辺りは大きな子供部屋の様な場所に一変した。

＿＿異能空間に誘い込む類の異能か…。

「「「！？」」」

「…ようこそ、アンの部屋へ！あら。もう、嫌だわ。こんな沢山の方たちに見詰められて。あたし、初対面の方とお話しするの苦手なの。でも…駄目ね。ちゃんと説明しなきゃあ、皆さんお困りだわ。きっと、すっごくお困りだわ！だってこんな見知らぬところに、突然、連れてこられたんですもの。あたしだったら…、心臓が飛び跳ねて＿＿」
「…ナオミは、何処だ。」

ペラペラとお喋りをする赤毛の少女の言葉を、殺気を放つ谷崎さんが遮る。
それを見た少女は、一瞬冷たい目でじっと谷崎さんを眺めると直ぐに少し微笑んでみせながら答えた。

「あら。ご免なさい。その説明が最初よね。探偵社の皆さんは＿あちらよ。」

そう云うと奥の扉を指す少女。
その扉の奥には…確かに、宮沢さんもナオミさんも居た。
…居は、したのだが。
大きな手の様なモノに囚われてぐったりとしていた。

「賢治君！ナオミ！」
「鍵なしでは開かないわ。開くのは…あっち。」

そう云うと今度は僕らの後方の扉を指す少女。
その扉の向こうでは、外の景色が制止していた。

「あたしの名前はモンゴメリ。ここはあたしの異能で創った空間なの。でも安心なさって。そのドアから誰でも出られるわ。…お仲間を取り返したくなければ、ですけど。」

少女…モンゴメリは、ニィッと嗤いながらそう云う。

「…如何する心算だ。」
「簡単よ。」

少女は依然、大胆不敵に微笑みながら答えた＿＿。

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

100話目突破しました！何時も読んで頂き有難う御座います。
お気に入り・評価も有難う御座います。
未だの方は良ければお願いします。
これからも、宜しくお願いします！