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第138話「異能の裏技」ソル ページ46

「……仕事は、こうじゃねぇとなァ!」
「気を付けて下さーい!」

ニヤリと笑う彼に、宮沢さんは笑顔のまま軌条を振り回す。
それ(・・)は壁に当たり、パラパラとコンクリートが落ちてくる。
彼も、コンクリートと同じ様に木端微塵になっていた……訳が無く。
彼は軌条の上に乗っていた。

「おぉー!」

キラキラと瞳を輝かせる宮沢さんに、彼はニッと笑むとそのまま軌条の上を走っていく。

……と、此処まで呑気に解説をしていた僕だが……異能を展開していた。
僕の異能は「よく知るもの」に異能ごと変化できる異能だ。
そして、幾つかを混ぜ合わせることで……異能の威力や精度は落ちるが、疑似的に組み合わせる事が出来る。
……但し、例えば薬品同士の化学反応のように……異能そのものが変化する場合が有る。
そして、その場合は変化に数十秒掛かってしまう。

故に、今まであまり使ってこなかった裏技(バグ)であったが……この際、二人だけでも十分戦える。
故に僕は確実に勝利する為に(・・・・・・・・・)異能を展開する。

「……出来た。」






異能力「泡沫の夢」、夢の通い路_虚無の女王_






僕がいろはと太宰さんを掛け合わせた女性の姿になったのと同じ頃、与謝野先生が鉈を彼に振りかぶっていた。
その攻撃を避け、彼が立っていたのは……

「……その異能。『重力遣い』の中原中也だね。」
「ち……。太宰の兵六玉が喋ったか。それとも……裏切者(ソル)か?」
「さぁね。答える義理は無いよ。……後、油断はするべきじゃないな。」

僕は小さな虚無の女王を彼に向かわせる。
すると、彼はひらりと避け、地面に降りてくる。

「何方にせよ……太宰が其程そんなに警戒してんなら期待に応えねぇとなァ……」

ボッという、大きく低く轟く音が響き、砂煙が巻き起こる。
数秒の後、やっと晴れてくると、彼の周りは円形に凹んでいた。

「……さァ、重力と戦いてぇのは誰だ?」

戦況は、黒に傾く____。

第139話「罠に堕ちる」ソル→←第137話「餌と取引」ソル



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設定タグ:文スト , 中島敦 , 夢小説   
作品ジャンル:アニメ
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作者名:業猫 | 作成日時:2019年7月10日 12時

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