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第126話「尋問(後編)」夢主 ページ34

「却説、早速で悪いけれど、開戦までもう間がない。そして、捕虜には大事な仕事が在るよね?マフィアの戦況、今後の作戦を教えて貰おうかな!」
「……ハッ、マフィアの掟を忘れたかえ、坊主?江戸雀は、最初に死ぬ。」

私が戻って来たのを確認すると、太宰さんはそう、姐さまに笑って云う。
けれど、姐さまは莫迦にした様な顔で「答えない」という意志を表した。
目を伏せた姐さまに、太宰さんは困ったような顔をすると、少し息を吸い、私の隣にある扉目指して歩き出す。

「姐さんの部下に、拷問専門の班が在ったよね。」

太宰さんの足音が、小さな静かな部屋に木霊する。

「でも偶にその班でも、口を割らせてくれない鉄腸漢が現れることもあった。」

太宰さんは、扉の前まで来ると振り向く。

「そんな時は、私が助太刀したよね。私が抜けた後は…いろはが、その代わりをしていた筈だ。」

太宰さんは、ドアノブに手を掛ける。

「私が訊いても…口を閉ざした儘の捕虜が、一人でも居たっけ?」

ガチャリ…
部屋の、鍵が閉まる音がする。

カタリ…
太宰さんの、優しい、正義の仮面が落ちた音が聞こえた。

カチリ…
それを合図に、私の顔から、光がすっと奥に消えていく音が聞こえた。

そんな私達を前にした姐さまは、すっと血の気が引いたように真っ青になっていた。

「此処からは、大人の時間だね。」

太宰さんは、腕をまくると包帯に巻かれた腕をパキッ…と鳴らせた。

第127話「ソルの記憶」アグラソル→←第125話「尋問(中編)」夢主



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設定タグ:文スト , 中島敦 , 夢小説   
作品ジャンル:アニメ
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作者名:業猫 | 作成日時:2019年7月10日 12時

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