検索窓
今日:4 hit、昨日:4 hit、合計:13,211 hit

第54話「対ソル戦」夢主 ページ5

「……私の、回収?」

私が警戒したまま聞き返すと、ソルは頷く。

「嗚呼、君の異能は強力で“使える”。使い捨てるには惜しい……って云う芥川さんからの命でね。……大人しくしてもらうよ。」
「……私が抵抗しないとでも?」
「ふむ、心外だなぁ。悪い話じゃ無いと思うんだけど。君の命は助かるんだから。」
「……ふざけないで。私は探偵社の一員なの。自分だけが助かる道で満足出来るわけが無いでしょう!」

私が怒りに震えながら、そう噛みつくとソルは愉しそうに笑う。
まるで愚かな者でも見ているかのように、愉し気に。

「変わったねぇ、いろは。まるで数年前までとは別人だ。前の君が今の君を見たら驚くだろうね?」
「……私は何も変わっていない。今も昔も、太宰さんの為に全てを捧げるのみ……!」

挑発してくるソルに、私は鋭い視線で返す。
最も、殺気などは含んでいないお粗末なものだが。

「その“太宰さん”は裏切者の罪で地下牢に捕らえられているけれど?」
「……へぇ、情報をどうも、ソル。……じゃあお礼に捕えて軍警に引き渡すとしましょうか?」
「そんなことも知らされていないとは!君も落ちぶれたねぇ、かつては次期幹部候補とまで言われていたのに!……それは嬉しいね、全力で拒否させて貰おう。」

私は疑似的な女王を消し去り……異能を普段の様に、体に沿って展開する。
こうすることで身体能力を強化出来るのだ。

一方、ソルはというと……太宰さんの姿になっていた。

「“いろは、私を傷つけないでおくれよ”?」
「……ッ!!趣味が悪くて安心するよ、ソル。太宰さんになるなんて……。」

私は無理矢理笑いながら、仕込みのナイフを取り出し振りかぶった。
が、涼しい顔でソルは避ける。
そして、ニッコリと笑いながら私のお腹に、打掌(パンチ)を打つ。
私は何とか受け身を取るが、不完全だったが為にかなりのダメージを食らう。

「うっ……!」
「……へぇ、反応はよくなってるじゃないか。安心したよ。」
「私は……強欲だからねぇ!」

私はナイフを振って、続けて流れる様に蹴りを入れる。

「っ!!」

私は苦痛に顔を歪めるソルに、続けて打掌(パンチ)を打とうとして……首筋に痛みを感じて、意識が遠のくのを感じ、力が抜けていき……倒れる。

「……油断したね。君の異能は強力だが……君自身はまだまだ弱い。自覚すべきだ。……眠ってなよ、いろは。」

優しい声でそう云うソルを、私は睨みながら……気を失ったのだった。

第55話「籠の中の」夢主→←第53話「ソル」夢主



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 8.2/10 (5 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
8人がお気に入り
設定タグ:文スト , 中島敦 , 夢小説   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:業猫 | 作成日時:2019年6月13日 11時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。