第84話「ソルの入社試験(二次)前編」アグラソル ページ40
電話が鳴って、目が覚める。
……この
「……もしもし?」
『アグラソル。悪いな、夜中に。』
案の定、探偵社の国木田さんだった。
「国木田さんかい……厭、気にすることは無いよ。所で要件は?」
『……事務員が攫われた。』
その言葉に僕は血の気が引いた……__何てことはなく、冷静に続けて問いかける。
「……で。場所の特定は?」
『乱歩さんに頼んで既に終わっている。港沿いの倉庫だ。後で詳しい場所はメールするが……向かって貰えるか?』
「勿論さ……所で、何故僕なのかい?例えばいろはとか、適任だと思うのだけれど。」
僕はそう問いかけながら、戦闘用の服に着替える。
『……厭、社長がお前がだと判断した。』
「理由は?」
『お前の“異能”だ。一人で万人の異能を使える。つまりは……一人でそれ以上の働きが出来る。……期待、しているぞ』
「期待、ね……。……僕は元マフィアだ。人助けに関してはあまり期待しないでもらいたい所だが……期待を向けられてしまったのなら仕方がない。分かったよ、直ぐに向かおう。」
僕はそう伝えると電話を切り、乗り慣れたバイクにまたがる。
「場所は……うん、行動範囲内だね。さて……飛ばすとしようか。」
こうして、アグラソルの真の入社試験が始まったのだった_。
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作者名:業猫 | 作成日時:2019年6月13日 11時