番外編「イニシャル・G(中編)」 ページ35
「お……お待たせしました、太宰さん……!」
息を切らせながら、数分で到着したのは黒外套を纏った男、芥川である。
「芥川君……この虫の息の根を即刻止め給え。」
「は……仰せの通りに!」
そう云ったかと思うと、壁に張り付いていたGを異能を使い、即座に息の根どころか足一本さえ残さず消す。
「いろはぁ、これで__」
「甘い……甘いですッ、金平糖の様に甘いです!!良いですか、太宰さん!此奴らは集団生活しているのです!壱匹見たら壱〇匹居ると思わないと……!」
「……だって、芥川君。この家に居るアレ、全部お願い。」
「重要任務は……__」
「……“これ”だが?いろはがこんなに怯えてるんだ。頼んだよ?これくらい……出来るよね?」
「……勿論です。」
にっこりと笑う太宰に、もっと別な任務……其れも、自らの戦闘力を師に示し評価される機会を思い描いていた芥川は肩を落とし、答えたのだった。
こうして、家中のGをこの世から消し去る重要(?)任務が始まる。
数儒分後、漸く弐匹目の息の根を消し去った時、元気な少年の声が聞こえてきた。
「いろはさーん、太宰さーん!ごめんくださーい!」
「……賢治君?どうしたの?」
いろはがドアを開けたその時、参匹目のGが顔を出す。
「……あ!ゴッキー君じゃないですか!」
「ちょ、賢治く……きゃーーー!何掴んでるの、素手で!」
「他にも居ますかね……あ、居た!こっちもこっちも!」
素手で「其れ」を掴み捕まえる賢治に、いろはは悲鳴を上げたのだった。
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作者名:業猫 | 作成日時:2019年6月13日 11時