第78話「ソルの探偵社入社」夢主 ページ31
「……じゃあ私、探偵社に行ってきますね。……本当に行かなくて良いんですか?国木田さんに怒られますよ?」
「良いじゃないか、いろは。だって私、疲れたのだよ。」
「まぁ太宰さんが良いなら良いですけど……あ、ご飯は作る時間無いので私が帰ってきたら食べに行きましょうね。」
「本当?絶対だよ、いろは!」
私が外食する事を伝えると幼子の様にキラキラとした瞳で見つめてくる太宰さんに、私は思わず笑みが零れる。
「じゃあ、行ってきます。ついでにソルの事も報告してきます!」
特に問題もなく、報告書だけ命じられたので、そのまま作成することにする。
ざっと半分程が出来た頃、社の出入り口の扉が開き、敦くん達が戻ってきた。
私はその事に気が付くと顔を上げて微笑み、迎えの挨拶をする。
「た、唯今戻りました……って、え?」
「……敦くんと賢治君?お帰りなさい。事件の捜査に行ってたんだよね、お疲れさ……__」
「いろはちゃん!無事だったの!?僕、すっごい心配してて……__!!」
微笑む私に、敦くんはもの凄く安心したように、ほっとした表情を浮かべる。
「うん、マフィアに囚われてちょっと内部事情漁った後に一人、マフィアから引き抜いてきた。……心配してくれて、有難う。」
「へ、へぇ……。いろはちゃん、何か色々大変だったんだね……。」
私がすらすらとざっと説明してみせると、敦くんは少し圧倒されたような表情を浮かべて苦笑した。
「それで……いろはちゃん、その引き抜いてきたって人は何処に居るんですか?」
「賢治君。……嗚呼、社長と面接中だよ。国木田さんから見て、感触はどんな感じ?」
「……まぁまぁだな。ただ、元マフィアだからな……__それがどう転ぶのかが全く以て不明だ。」
それもそうである。“表向きは”元マフィアの人物の加入は探偵社創立から初めての出来事なのだから。
まぁ表向きも何も、私達が明かしていないだけなのだが。
その時、社の奥にある社長室の扉が開き……社長とソルが入ってきた。
社長の表情は……___
第79話「ソルと探偵社員・壱」夢主→←第77話「マフィア抜けの直後(後編)」樋口一葉
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作者名:業猫 | 作成日時:2019年6月13日 11時