lightning ページ17
あの日も、そうだった。
そうやって現れたんだ。
あの...超大型巨人は。
.
「ゲホッ、ゲホッゲホッ」
死人が蘇り、泣く子も黙るような轟音と共に突然発生した稲妻と爆発は、辺りに大量の煙を撒き散らした。
「...っ...あれ、は...」
剥き出しの背骨と肋骨。
皮膚が全く見当たらない頭部。
ギョロっとした目玉。
ほぼ死体に近い状態の体。
でもあれは間違いなく巨人。
一気に周りがパニックになる。でも、それが比じゃないほど、私の頭はカオスだ。
脳内では意味のない文字列が駆け巡っている。
いや、自分が言えることじゃないけど...巨人になれる人間がいるなんて！
この混乱のなか、とっくに私の拘束は解けている。
とにかく、絶対殺させない。いざとなれば、私がここにいる駐屯兵団の兵士たちを...殺す！
そのとき、妙な音がして、煙のなかから現れた。
...アルミンが。
「彼は人類の敵ではありません！」
「そもそも我々が彼をどう認識するかは問題ではないのです！」
エレンは巨人と戦い、巨人に補食され、その果てにうなじから出てきた。
「我々がいくら知恵を絞ろうとも、この事実だけは変わりません！！！」
...そうだった。アルミンは今期の座学トップだった。
つまり、こういう説得だの交渉だのに一番向いてるのは、アルミン。
現に、兵士たちは心を動かされている。
よし、このままいけば...！
「迎撃態勢をとれ！奴等の巧妙な罠に惑わされるな！」
クソジジイ...！
そろそろ本気で殺してやろうか？
でもその前に、アルミンが敬礼をし、叫んだ。
「私はとうに人類復興のために心臓を捧げると誓った兵士！その信念に従った末に、命が果てるのなら本望！！
彼の持つ巨人の力と、残存する兵力が組み合わされば、この町の奪還も不可能ではありません！
人類の栄光を願い、これから死にゆくせめてもの間に、彼の戦術価値を説きます！！！」
これを聞いたクソジジイは、愚かにも手を上に掲げ...させることはなかった。
そのしわしわの首筋に、私が刃を突きつけたから。
stop thinking means death→←dead or alive
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：悠にゃん | 作成日時：2018年7月10日 20時
