記憶と失恋【西谷夕】

７０、夏休みの合宿、拾壱 ページ23

研磨「…」







西谷「何で俺、呼び出されたんスか？」







クロ「…」







研磨「…あのさ」







西谷「え、あ、はい…」







研磨「…Aに何したの？」







西谷「！」ｿﾞｯ







研磨さんの目が試合した時とはかけ離れていてｿﾞｯとする。







西谷「…何とは…」






研磨「いや、A泣いてたし」







西谷「泣いてた？」







研磨「そうだよ」







クロ「…んでさー俺と研磨むっかしからの付き合いでな、((研磨「幼なじみ」そう、それ…」







研磨「いじめる奴の近くにAを置いとく訳にはいかないから…」







西谷「は、いや、何で俺がいじめた事になってんスか？？」







研磨「Aから聞いた」







西谷「俺、いじめなんてしてませんっスよ」







研磨「…」







クロ「じゃ、Aに聞くわー」と、スマホを取りだし通話ボタンを押す







ﾌﾟﾙﾙﾙﾙ…ｯ







クロ「あ、おーいAー」







『クロ〜？ごめん…寝てた…』







クロ「あ、わりぃー起こしたみてぇーだな…」(寝起きの声だな)







『本当だよ〜…で、どうしたの？』







クロ「あ、その事なんだが…ちょっとわりぃーけど食堂まで来てくれるか？」







『え…嫌だ。』







クロ「言うと思ったわ」







『言うと思ったなら掛けてこないでよー…』







すると隣にいた研磨が俺のスマホを取る。







研磨「A、大丈夫。俺が居るから」







『しょ…しょうがないなぁー研磨の頼みなら聞くよ…』








クロ「え、俺の言うことは？」







『気分次第ね…』







クロ「気分次第かよー」







研磨「じゃあ待ってる」







『うん…分かった…』







............







「け、研磨…？」






恐る恐る扉から顔を出す。







研磨「大丈夫？」








クロ「本当、ビビりだな！昔から！」








「しょうがないじゃん！怖いんだもん…」







研磨「クロが悪い」







クロ「違う」







研磨「クロが悪い」







クロ「違う」







研磨「クロが悪い」







「もぉーいいって…」







クロ「で…いじめたのは、誰なんだ？」







西谷「…俺の同級生っス」







クロ「ふーんで何？西谷君もいじめたの？」







西谷「いや、俺は見ただけっス」







研磨「それっていじめだよね」







クロ「暴行、暴言、強奪、その他色々。それだけじゃねぇーいじめは、『見ただけ』もいじめなんだよ」

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