第五人格(identityV)短編夢小説

愛しさの低音(納棺師)(シリアス) ページ10

※誘惑したリップグロスの続き

いつにも増して潤いが目立つ綺麗なその彼女の唇は僕が施したもので、落ち着いたトーンの紅色に他の男共は釘付けらしい。

逃げる側も追う側も、男という性別が付いてる大体の奴はいつもと違った彼女に全く同じ視線を送るものだから遠目で見ても分かりやすい。

新鮮味を感じてるとか そんなヤワな理由じゃなくて きっと下心アリアリな理由だろうと理解してしまう僕もまた、そんな視線を彼女に送ってしまう者の一人だ。

「ねぇ A」

「なに、イソップ」

「君はさ





僕が他の奴らに、君が化粧して綺麗になった姿を見せたくないって言ったらどうする？………君に化粧を施して そのまま棺にしまっておきたいと言ったら、君は僕の事をどう思う？」

「……え？」

Aは瞬きを何回かして、固まっていた。

そりゃそうだ。こんな頭のネジが外れた発言、突然されたら固まりもするさ。

「はは、冗談だよ冗談。僕が君にそんな気持ち抱くわけないだろ」

「な、なんだ〜ビックリした。脅かさないでよー」

「化粧した君が綺麗だって言われて調子乗るAの姿を見たくてね、ただそれだけだよ」

「意地悪するな〜イソップは」

いつもみたいな、気の抜けた笑顔。
ケラケラと笑って此方を見る純粋なその瞳は、僕の本当の気持ちを見据えはしない。


愛しさの低音
(そんなに綺麗な人間じゃないさ)

伝わってるかいハニー(リッパー)(甘)→←天文学的な確率で(占い師)(甘)

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