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その列車はナツを乗せていく-6 ページ35

グレイとナツを交互に指差しながらルーシィが納得したように言った。
逆にエルザは納得してないのか、「そうなのか?」とグレイに問う。

その質問に、グレイは「どうでも良いだろ!・・・それよりも」と会話を逸らし本題に入るようエルザに促す。

「そろそろ本題に入ろうぜ。・・・一体どういう事だ?今までお前は誰かに力を貸してもらう、なんて事はしなかった。」
「・・・そうだな、そろそろ話しておいた方が良いだろう。」

そう言うと、エルザは事情を話し始める。

「先の仕事の帰りだ。オニバスで魔導士が集まる酒場へ寄った時、少々気になる連中がいてな」

その"連中"の話曰く、"ララバイ"なるものの隠し場所を見つけたが封印が施してあり解除出来なかった事。
しかし、"連中"の1人がララバイの封印を解除し、近日中に持ち帰る事。

そして─"連中"の1人が"エリゴール"という名前を口にしていた事。

「・・・ララバイ?」
「"子守唄"って意味よね・・・。眠りの魔法か何かかしら?」
「わからない。ただ、封印されていた、となると強力な魔法らしい。」

「・・・話が見えてこねぇな。魔法の封印を解くってだけなら仕事かもしれねぇ。それだけだろ。」
「あぁ、私もその時は気にもしていなかった。─"エリゴール"という名前を聞くまでは、な。」

エルザがそう口にした時、聞き覚えがあったのかルシアが「えりごーる、」と小さく呟いた。
しかしその直後、酔いが回ってきたのかまた苦しそうに呻く。

グレイはそれに気づき、「無理に話そうとすんな」と軽く注意する。
そんな二人を横に、エルザは頷いた。

「・・・ルシアは知っているようだな。
魔導士ギルド・鉄の森(アイゼンバルト)のエース。死神・エリゴール。」
「死神!?」
「あぁ。暗殺系の依頼ばかりを遂行し続け、ついた(あざな)だ。本来暗殺系の依頼は評議会の意向で禁止されているのだがな。鉄の森(アイゼンバルト)は金を選んだ。」

そこまでエルザが事情を話すと、列車が停まる。
どうやら目的の駅に着いたらしい。
エルザは二人に促し、列車を降りる。

ガタゴトと荷物を揺らし降りながら、エルザは続きを話し始めた。

「結果、鉄の森(アイゼンバルト)は六年前に追放・・・。現在は"闇ギルド"というカテゴリーに分類されている。」
「闇ギルドぉ!?」

ぶわり。
物騒な単語を聞いたルーシィが汗まみれになる。
ハッピーが「汁いっぱいでてるよ」と言うとルーシィは「汗よ!!」と突っ込んだ。

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作者名:ねむ | 作成日時:2018年10月22日 0時

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