エルザの要件 ページ29
翌朝、目を覚ましたルシアは隣で寝ているはずのグレイが居ない事に気づく。
その事に眉を
リビングの扉を開ければ、案の定そこにはグレイが居た。
どうやら朝食を作っているらしい。そっと近づいて抱きついた。
「ぉわっ!?…て、ルシアか…。危ねぇだろ」
素っ頓狂な声を出して後ろを振り返ったグレイが呆れながらそう言う。
ルシアは口を尖らせたまま、「急に居なくなるお前が悪い。」と不機嫌に答えた。
その答えに「あぁ…」と意図を察したグレイは苦笑いをしながら「悪かったな」と謝り、ルシアの頭を撫でる。
「もうちょいで飯作り終わるから、先いって座ってろ?」
「ん、」
頭を撫でられただけで機嫌が多少良くなるとは、自分の事ながら呆れる、とため息を吐きながら席につく。
それから暫くしてトレイを持ったグレイがやってきた。
「…グレイ、服どうした。」
「おわっ!?」
ポツリと呟いたルシアに対し大袈裟なリアクションをとったグレイはトレイを机に置き、そのままいそいそと服を着る。
「だっせぇの」と笑って見ていれば、「うるっせぇ!つかこっち見んな!」と若干顔を赤くして抗議してくる。
「別に今更だろ?俺は気にしねぇって」
「お・れ・が・気・に・す・る・んだろうが!」
「わかった、わかったから!」
いてぇ!と頬を
渋々座るグレイを横目に、ルシアは本題へと入る。
「そういや、今日だよな。エルザが言ってたのって。」
「なんで蒸し返すような事言うんだよ。忘れかけてたのに。」
「本当に忘れてたら洒落になんねぇぞ」
「エルザの怖さはお前も良く知ってるだろ。」
幼少期の頃に散々エルザに仕込まれていたグレイはその言葉に青ざめる。
その様子にため息を吐いて朝食を口にする。
「これ食ったら行くか。」
「おう。」
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若干無理やり終わらせました。
亀更新で申しわけありません・・・。徐々に更新していこうと思います。
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作者名:ねむ | 作成日時:2018年10月22日 0時