第八訓 ページ9
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夜、いつも通り見廻りの仕事をこなしている。
昨日土方さんに夜の歌舞伎町の見廻りをしたいと言ったらすぐにダメだと切り捨てられてしまった。残念、俺のプリティフェイスをもってしても無理だったか…。
「今日はやけに隊士の出入りが多いな…」
屯所を出入りする隊士がいつもよりはるかに多い。近藤さん何か頼んでたかな…土方さんからも特に何も言われてないしな…
皆大きな段ボールを抱えている、ほんとになんだ…
「ねえそこの君。この荷物、何なの？」
「Aさん、これは全部伊東さんからの贈り物です」
「伊東…って、伊東鴨太郎！？」
「はい、明日にはここに帰ってくるそうです！」
「そうなんだ。ごめん作業中に呼び止めちゃって、戻っていいよ。ありがとね」
「はい、失礼します！」
懐かしい人物の名前が出てきて少し浮ついた気持ちになる。
明日、起きてられるかな…多分無理だな
「会えても夜の交代の時間くらいかな〜、残念。」
…今日はやけに平和だな。いや、いいことなんだけどね！
いつもだったら浪士の動きがあったりするんだけど、今日は本当に何もないただの見廻り。
「なーんか、嵐の前の静けさみたいで怖いな〜」
俺は嫌なものを感じたが、どうせ勘違いだろうと頭を振り、元の場所に戻った。
・
翌日・朝 新選組屯所にて―――
「聞いたか？近々あの人が仕事を終えて江戸に帰戻ってくるらしいよ」
「先生だろ？荷物のほうが先に届いてるよ。あの人が仕入れた新型武器。何か上物の刀剣とかも手に入れてきたらしくて上の連中が取り合ってるって話だ」
二人の男が昨日大量に運ばれた荷物や、帰ってくる久しぶりの同胞の話で盛り上がっていた。
そこに一人の男が刀を腰に下げ歩いてくる。
「いいな〜俺も欲しいなおニューの刀〜」
「あはっ、んんっ！！」
その男はわざとらしく二人の男の近くで咳払いをする。
監察の山崎退である。
「あ、山崎さん。あー！ひょっとしてその刀は！長船M-�供�」
「すっげーブランドもんだ！かっけー！」
「あのー俺別に自慢しに来たわけじゃないから、たまたま通っただけだからたまたま〜」
「いいな〜、ちょっとだけ素振りさせてください！」
「あーもちろんいいよ」
そういって刀を渡す山崎の顔は自慢げである。
そしてまたその空間に一人音楽を聴きながら歩いてくる。
――――――
文字数の都合上ここで切ります！
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作者名：あ | 作成日時：2024年3月6日 2時
