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第二十五訓 ページ26

―――――

「総悟…」

「沖田くん、やはり君は土方派…」


それを聞いた沖田は眉間にしわを寄せ、ムッと顔をしかめる。


「僕に近づきその動向を探るためのスパイ…土方を裏切ったのも、僕を欺くための芝居だったか」

「…芝居じゃねーよ。言ったはずだ、俺の眼中にあるのは副長の座だけだ。邪魔な奴は誰だろうと叩き潰す…
土方は消えた、次はテメェの番だよ。伊東先生。
俺ァはテメェの下にも、奴の下にも付くのはごめんだ。俺の大将はただ一人…

そこを退けェ!!そこの隣は俺の席だ!!」


カッと目を開きこちらに刀を向ける沖田。


「っははは、とんだ性悪だ。土方を消すため僕を利用し、用済みとあらば僕をも消そうとするか…いいじゃないか。僕も君と同じ意見だ」



沖田の背後に近づく影…伊東派の隊士二人だ。


「っふ…」

沖田は鼻で笑うと、どこから出したかわからない起爆スイッチを押す。
爆発音がし、列車が大きく揺れる。

そのすきに沖田は近藤を連れ、ほかの車両へ向かう。



――――――
――――


「近藤さんが…このままじゃ、近藤さんが暗殺される!」

「ぼくは知らない…僕は知らない、ははっ僕は知らない…」

「土方さん!しっかりしてください土方さん!!」

「…状況は何となくわかったけど、これ土方さんのそっくりさんだよね…?」

「ぼく知らないもん…知らないもん…」


トッシーは頭を抱え震えるばかりだ。


「銀ちゃん、どうするアルか」

「…神楽、無線で全車両から本部まで繋げろ」

「あいあいさー!」


《アーもしもし聞こえますかー!伊東派だかマヨネーズ派だか知らねーがすべての税金ドロボーどもに次ぐ、今すぐ持ち場を離れ近藤の乗った列車を追え!もたもたしてたらテメ―らの大将首取られちゃうよー。こいつは命令だ、背いた奴には士道不覚悟で切腹してもらいまーす!》

《いたずらか!!テメ―誰だァ!!》


「…テメ―こそ誰に口聞いてんだ、誰だと…?

新選組副長ォ!!土方十四郎だコノヤロー!!!!」


銀時は無線を強くたたきつけ通信を消る。

「銀さん…」

「ふんっ、腑抜けた面ァ見飽きたぜ…。ちょうどいい、新選組が消えるならテメ―も一緒に消えればいい。墓場まで送ってやらァ」

「冗談じゃない!!僕は行かなっ」
「テメ―に言ってねェンだよ!…おい、聞いてるかこら、あ?

くたばるんなら大事なモンの傍らで、剣振り回してくたばりやがれ!!!」


―――――――――

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作者名: | 作成日時:2024年3月6日 2時

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