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第二十訓 ページ21



「いや、あの…」

妖刀という言葉に反応してトッシーは鉄子に迫る。それを銀時と神楽がぼこぼこに踏み潰していた。女性に急に迫ったら怖いでしょーが!!!


「妖刀って、いったいどんな妖刀だっていうんですか?」

「母親に村麻紗で斬られた引きこもりの息子の怨念が宿っているらしい」
「つーかどんな妖刀?!」

「伝説では普段は不登校でアニメばっか見てるくせに、修学旅行だけは行きたいと言い出したらしい。さすがに母親もキレて、その時使われたのが村麻紗なんだ」
「どんだけ具体的な伝説ウ?!最近だよね?!それ!!ニュースでやってそうだよねそれぇ!!」

「村麻紗を一度腰に帯びた者は引きこもりの息子の怨念に憑りつかれ、アニメ及び二次元、メディアに対する興味が増幅されそれと反比例し、働く意欲戦う意思は薄弱になっていく。即ち、ヘタレたオタクになる。
だが贋作も多い刀だ。たとえ本物だとしても、コイツがその伝説の代物だという可能性はさらに低いだろう…だが、コイツが正真正銘本物の妖刀村麻紗なら…もはやその男に、本来の魂は残っていないかもしれない」


三人はトッシーにどうしたものかと向き直る。


「妖刀に食い尽くされ、すでに別人となっていても何らおかしくない。もう、本来のそいつは…戻ってくること、はないかもしれ――」


ふぅ…と煙草の煙が舞う。
ここにいる人物で喫煙者なんて一人しかいない…そう、土方十四郎だ。



――――――――

 新選組にて―――


「君も僕を理解しえないか篠原君…武士にとって最大の不幸は何だと思う…。

それは理解されないことだ。いくら才能を持ち合わせていようといくら努力していようとそれに見合うだけの評価をされない…器に見合うだけの餌がもらえない、これほどの不幸はない。

――――僕にとって最大の不幸は、最大の理解者が敵だったということさ…。最も危険な男は消えた、あとは近藤勲を暗殺し新選組を我が物にする!」



伊東から少し離れた扉の奥で話を聞いていた山崎退。


「あの男…やはり副長の言う通り。知らせねば、副長に。早く副長に知らせねば…!」


伊東はゆっくりこちら振り向き目を開けニヤリと口角を上げた。



――――――


山崎逃げて!!超逃げて!!!

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作者名: | 作成日時:2024年3月6日 2時

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