第十八訓 ページ19
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新選組にて―――
「意外だったよ、沖田君。君が僕の側についてくれるとは、君らは新選組結成前からの付き合いだと聞いていた。君は完全に土方派だと思っていた」
「土方派?そんな派閥があったの、今の今まで知りやせんでしたよ。」
「ふふっ、賢い男だ。望みは何かね?」
「もちろん副長の座でさァ。あとA兄の安全もですかねィ」
「ふっ。僕に付く限りその望み、果たすこと約束しよう。」
沖田はそのまま何も言わず出ていき、静かに扉を閉める。
「よろしいので?」
「構わんよ。副長の座くらいくれてやる」
「しかし、それでは土方を廃した意味が…」
「篠原、君は僕が副長などという役職を得たいがためだけに、あの男とくだらない権力争いを繰り広げていたとでも思っているのかい?」
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万事屋にて――――
「あの…すいませんでした。まさかあんなところに貴方がいるとは思わなかったので…」
新八は目の前にいる男に頭を下げる。
「ひ、土方さん…。」
「いやぁいいんだよ。この限定モデルのフィギュア、トモエ5000が無事だっただけでも良しとするさ」
「あ、ああ、あありがとうございます…」
「…え?ていうか、え?おたく、土方さんですよね?ほんとに」
「何を言ってるんだよぉ〜坂田氏ぃ」
「坂田氏?!」
「このとーり!」
そう言い土方(?)は胸ポケットから警察手帳を万事屋に見せる。
そこにはしっかり土方の顔写真と所属、名前が書かれている、本物の土方十四郎である。
「正真正銘、土方十四郎でござる!」
「ござる?!」
先ほどから突っ込みが止まらない銀時だ、何かと縁のあるあの鬼の副長土方十四郎がこんな性格になってしまい困惑だらけだ。
「あ!神楽氏!」
神楽は突然名前を呼ばれて目をぱちくりさせる。
チャイナとばかり呼ばれていたが名前知っていたのか…
「その中華服は…さてはぁ魔法少女中華なパパイヤのコスプレでござるな!かなり完成度が高いねぇ…ちょっと写真撮らせてもらってもいいかな」
神楽はこういう扱いに慣れていないのだろう、すこし照れながら土方…いや、トッシーからの撮影を受けている。顔がいつもの神楽ではなく少女漫画のような作画になってしまっている。かわいいね。
「なんで照れてんのぉ…おい、どういうことだこれは」
「本物みたいですけど、別人みたい…つーかあの、土方さん」
「何だい?志村氏」
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作者名:あ | 作成日時:2024年3月6日 2時