第十六訓 ページ17
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「土方さん…、待って下せェ土方さん!」
沖田は去っていく土方の肩を掴み、
「焼きそばパン買って来いよォ!あとジャンプもな〜もちろんお前の金でェ〜」
…そうだった、コイツはそういうやつだった。
土方は頬に筋を浮かべ、沖田に振り返る。
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―――
新選組屯所 会議室にて―――
時計の針は五時十分過ぎを指し、会議開始の時間から十分が過ぎていることを示している。
静かな会議室に無機質な針の音が響く。
「遅いなトシのやつ…もうとっくに時間は過ぎている。大事な会議だというのに…」
「(珍しいな土方さん…いつも一番に来てるのに)」
今回の会議は夜の番の俺も参加するほど大事な重役会議だ。それに遅れるなんてよっぽどのことがない限りありえない、だってあの鬼の副長土方十四郎だよ?
俺あの人が約束とか破ってるとこ見たことないもん、土方さんも人だったんだなぁ。あれ、作文?
「…近藤さん、いい機会だ。僕はちょうど彼のことを議題に出すつもりでいた、最近の彼の行動についてはすでに諸君も聞き及んでいるだろう。」
伊東は立ち上がり、土方の処遇について話し始めた。
結論から言うとクビにしろ、ということだ。
「彼にこそ厳しい処罰が必要なのだ!近藤さん、ここは英断を!」
「待ってくれ!トシは必ず――」
ドタタッ
大きな音がし、上から人が落ちてきた。噂をすればなんとやら…土方本人だ。
「土方さん…!?どうして上から―――」
「ちーす!!焼きそばパン買って来たっす沖田先輩!!すいまっせんジャンプがなかったんで、マガジン……っ!!」
パシリに勤しんでいた土方はようやく自分の状況に気づく。
奥に見える沖田は伊東を見た後、土方に顔を向けふっ、と嘲笑い伊東も同じように口角を上げる。
「(し、しまった…!は、は…嵌められた!!
こいつら、組んでやがった…!!)」
「土方さ―――」
「A兄。今日は俺と夜の番でさァ、行きましょう」
俺の言葉を遮り、会議室から手を引いて出ていく総悟。
最後に見た近藤さんの顔は、あまり思い出したくないな…。
――――――
ようやくトッシー出せるぞ!!!!!
嬉しいでござるよ
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作者名:あ | 作成日時:2024年3月6日 2時