雨、のち理性崩壊。Ⅰ【赤司征十郎】 (ページ21)

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…21 *。『私はなんでも』ページ21

。

「……」

『征、なんか可笑しいとは思っていたけど……』

まさか足を痛めていたとはねー…

昨日、帰りに抱きしめられたのはこれかと

そう納得した私は

少し楽になった体を引きずって、

征を近くの椅子に座らせた。

アメリカにいるときは、

バスケをしてはよく怪我したり足を痛めていた大我を手当したりしてたから

こういう処置は結構できる自信がある。

「A、俺は大丈夫だから寝ていて」

『……いいから座って。そんなんじゃバスケできないでしょ』

しまった、大我にいつもそう言ってたからつい口が…

．

．

しかし征の反応は意外だった。

「え……俺がバスケしてるって、知ってるの？」

驚いたという目をして言ってきた征。

『……フッ……征、私はなんでも知ってるんだよ』

いいや、もちろん知りませんけど(

今知りましたが。

またまた、つい口走ってしまった…

「……Aは面白いね」

クスクスと笑う征を見て、少し気恥ずかしくなりながらも

手当を進めていった私であった。

。