私を見てほしい。【文スト】【太宰治】【中原中也】

9話 ページ11

国木田side

探偵社

最近俺の理想が狂う

それは「太宰と石畝」のことについて

石畝はとても真面目で優しく、誰とでも仲良くなれるやつだ。何も落ち度を感じない

なぜそこまであいつが恋人である石畝のことを嫌うのかが俺には理解できなかった



「乱歩さん...。」



乱歩「国木田、言いたいことは分かるけど、これは彼らの問題。僕たちが口出すことは出来ない。」

乱歩さんは持っていたラムネの瓶を揺らしながら言った



「ですが...。」



乱歩「太宰は不器用なだけ。僕たちが今出来るのは彼らを見守ること、そして彼女を支えることだけ。今の会話だって聞いていたのは僕たちだけじゃないんだよ。」

乱歩さんの言葉にハッとして奥の部屋へと続くドアに目をやると物音がした
ゆっくりとドアが開かれる


めぐみ「...さすが乱歩さんですね。すいませんでした。盗み聞きするつもりはなかったんです...。」


「石畝...。」


めぐみ「国木田さん、心配かけてすいません。実は私、今まで太宰さんが私に冷たく当たってくる理由、知らなかったんです......。ははっ...「気に食わない」ですか...。彼にとって私はそれだけの存在だったんですね...。」

顔を伏せて、自嘲気味に笑う彼女









彼女の言葉の最後の方は震えていた

無理矢理作っていた笑顔が崩れてくる

涙をこらえているのが嫌でも分かった




「...っ、もうすぐお昼休憩ですし、ちょっと外出てきますね。」

　


　
　

　

そう言うと彼女は出ていった


　

　

　


誰も呼び止める者はいなかった。
否、出来なかった。









＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿めぐみが壊れるまであと少し＿＿＿＿



＊＊＊＊＊

国木田さん...なんて優しいのでしょうか...。

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