大嫌いって言わないで４

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一方、比与太の会社では

朝からAさんのお兄さんへ比与太がこっそり報告をしていました。


比与太｢あ、あのっ……お兄たま！｣

兄｢は？｣

比与太｢とうとうAさんと結ばれまして……｣

兄｢え？付き合ってるの知ってるけど？

・・・あっ！あ〜アッチ？｣

比与太｢は、はい……。｣

兄｢わざわざ報告してくんなよ〜(笑)
そっかぁ、良かったな｣

比与太｢はいっ！

お兄たまはナユカさんとデートの帰り際悲しくなりませんか？｣

兄｢え？なんだよ、急に(笑)｣


どんどんAさんのお兄さんに懐いていく比与太


今までも懐いては居たのですが、Aさんと恋人同士になり

この先家族になるかもしれないと思うと

Aさんのお兄さんがとても愛おしく感じる今日この頃の比与太。


比与太｢俺……昨日の夜、Aちゃんをマンションまで送って別れるとき

悲しくて悲しくて。

帰りの車も一人が寂しくて、家に着いても寂しくて。

なんか初めてなんですよね〜、こんなこと。


俺、ウサギだったら今頃◯んでますよ｣

兄｢ククッ(笑)

変われば変わるもんだな〜、比与太(笑)｣


お兄さんもまた面倒見が良い人なので、比与太に頼られると嫌な気持ちはしていません。


これまで適当に遊んでいた比与太がAさんと出会い恋をして

まともな人間になっていくのを、お兄さんも嬉しく思っているようです。


そんなこんなで、いつものように仕事をしていると

急に部長から比与太にお呼びがかかりました。


そして部長から言われたのが、取引先の担当の話し。


部長｢じゃあ頼んだよ。くれぐれも失礼のないように、誠心誠意頑張ってくれ。｣

比与太｢あ、はいっ！｣


話が終わり、自分のデスクに戻ると

お兄さんが声をかけました。


兄｢部長、なんだって？｣


その問いかけに、比与太はゆっくりとお兄さんへ視線を向けると

ボソボソと言いました。


比与太｢◯◯商事の担当……俺になりました｣

兄｢おおっ！スゴいじゃん！頑張れよっ！｣

比与太｢マジかよ……信じられない｣


取引先としては大きな会社の担当に比与太が選ばれたようです。

それまで担当だった人が転勤になった為

最近の比与太の頑張りを買われ、どうやら部長に推薦されたようでした。

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